一方、李在明知事は、今年の6月20日に出演したテレビ番組(MBC、100分討論)で、5月に支給された緊急災難支援金により、消費が増え伝統市場を含めた地域経済が活性化したことを成功例として挙げながら、ベーシックインカムの導入の必要性を主張した。彼は、今後、「青年基本手当」の適用対象を京畿道のすべての住民を対象に拡大した後、将来的には韓国国内のすべての人々に定期的に一定金額の手当を支給したいという意向を明らかにした。具体的には最初は1年に2回程度、すべての国民に一定金額を支給した後、段階的に支給回数や支給金額を増やし、将来(10~15年後)には増税分を財源に一人当たり実質月50万ウォン(約4万4500円)程度のベーシックインカムを支給することが望ましいと主張した。この金額は上記で言及した国民基礎生活保障制度の1人基準生計給付額52万7158ウォン(約4万7000円)に匹敵する金額である。2019年の人口約5200万人を基準に計算すると、必要財源は年間312兆ウォン(約27.8兆円)に至る。ちなみに、312兆ウォンは2020年の政府予算の約6割に該当する金額である。

保守派も最低所得保障を検討

保守系の最大与党である「未来統合党」もベーシックインカムの導入に積極的な立場を見せている。未来統合党の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長は、7月14日に開かれたフォーラムで「4次産業革命により、仕事が多くなくなる時期に備え、市場経済を保護しながら市場での需要を持続させるためには所得を国民に支給することがベーシックインカムの本来の概念である」と主張した。しかしながら、「今すぐ推進することは難しく、すべての国民に同じ金額を支給することも現実的に不可能である......まずは低所得層中心に支給すべきだ」と与党や李在明知事の主張とは距離を置いた。

保守系の呉世勲(オ・セフン)前ソウル市長は年間所得が一定基準を下回る世帯に対して、世帯の所得に合わせて差等的に不足分を現金で支給する「安心所得制」の導入を提案している。安心所得制は、ノーベル賞経済学者ミルトン・フリードマンの「負の所得税」を参考にしたもので、労働などにより当初所得が多いと給付後世帯所得も多くなるように設計されている。例えば、基準額を年6,000万円に設定した場合の世帯所得別給付額や給付後世帯所得は次の通りである。

「安心所得制」の例(4人世帯、基準額6,000万ウォン基準)
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一方、ベーシックインカムの導入に反対する声もある。延世大学のヤンゼジン教授は7月21日開催されたベーシックインカム関連フォーラムで「ベーシックインカムでは貧困の死角地帯を解消することも所得を保障することも難しい。韓国の福祉国家の発展は社会保障を強化することで解決すべきである...単純に福祉支出を増やすより福祉を必要とする人に支給することが重要である」とベーシックインカムの導入に反対の意見を表明した。

ポピュリズムに落ちるな