<学生と企業は求めているものが違うが、こんな就職活動のままでは新入社員の離職願望問題は解決せず、学生も企業も幸せになれない。そもそも学生の間では、企業研究・自己分析に対する誤解が蔓延している>

3月1日、2020年卒大学生の就職活動がスタートした。学生は「就職」と呼び、企業は「採用」と呼ぶ。求めるものが違うので、面接という場所で、双方が火花を散らす。

企業は面接で、本来なら自社に合う人材なのかを厳しく見極めたいところだが、採用難の時代ゆえに、甘い言葉を含めて魅力付けにパワーをかける。学生は、とりあえず内定は欲しいが、どこに入社するかは内定が出そろってからゆっくり考えたい。

お互いの気持ちも分かるが、双方に考えてほしいことがある。何を理解して入社すれば、学生も企業も幸せな選択になるのか。

実際、双方のこの「ズレ」が、新入社員の離職願望問題を生んでいる。

人材会社マンパワーが1月に、入社2年目までの転職経験がない正社員に調査したところ、何と約4割が1~3年程度で離職したいと答えている。この調査対象者の就職活動時は、既に売り手市場。自分の意思で企業を選び、夢と希望を持って入社したはずだ。それがわずか1~2年で、4割もの人が他に移りたいと願っている。

筆者はキャリアコンサルタントとして、学生の就職活動の支援を行っている。また、企業の顧問として、採用活動の現場にも立ち会っている。

両者の立場が分かるからこそ言えるのは、「就職活動」と「採用活動」の溝があるままでは、こういった問題はいつまでも解決できないということだ。では、学生は、企業は、一体どうすればいいのだろうか。本稿では、学生側の問題を中心に取り上げたい。

多くの学生は「企業研究」と「自己分析」を誤解している

学生の面接をしていて気づくのは、企業研究について誤解している人が多いということ。

企業研究のために企業のホームページや就活ポータルサイト、採用パンフレットを必死に読み、説明会に出ては、その企業の特徴を記憶する。面接で志望理由を聞かれた時に、そのことに魅かれたと答えるためだ。しかし、筆者の経験から言って、企業は本音ではそれらを求めているわけではない。

自己分析についても誤解している人が多い。

自分の価値観や強みや弱みを知ろうと、過去を振り返ったり、友人知人に聞いてみたり、診断ツールを受けてみたりと、様々な努力をしている。しかし、どんなに自分と向き合っても、自分を理解しただけでは、アピールポイントは見つけられないはずだ。

本当に良い出会いだったと企業も学生もお互いに思え、その後の離職願望問題の解決にも役立つような「面接」には、3つのポイントがある。

当たり前なのに本当に理解している学生が少ないこと