見落としがちな「手順」
繰り返すが、私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。日ごろから企業が生み出す「成果」に強くこだわっている。
そんな私だから、よく経営者から「成果」を出すのに最も意識していることは何だ?、と聞かれる。支援先によって意識すべきことは変わるが、いつもそう聞かれて真っ先に思いつくのは「手順」だ。
たとえば目標を達成したいが、残業も多い企業はどうしたらいいだろう? 答えはこうだ。「目標達成」と「残業削減」どちらも両方同時に対処しようとしても、うまくいかない。だから、必ず「手順」を決め、ひとつずつ対処することが大事だ。
特別な事情がなければ、だいたいは不確実性の高いものから対処することを私は勧める。
このケースだと、まずは目標達成だ。どうすれば安定して目標が達成できるかわからない状態で、労働時間を減らすだなんてあり得ない。
優れた料理人をめざして頑張っている人が、まず調理時間を減らそうとするか。そんなことを考える人などいないだろう。
まずはどんな状況であろうが、最低限、組織で決めた目標ぐらいは当たり前のように達成できるようにする。それが基本の基本。それがない限り、次に進めない。
次に、組織が求める成果を減らすことなく、どうやって効率化するかを考える。いわゆる「ムリ・ムダ・ムラ」を減らすのだ。
こうして、ようやく正しい「仕事のやり方」が固まっていく。
こうなってはじめて、その仕事を、どこでやるか、どこの時間でやるか、どんな形態でやるか、という「働き方」を考える余地が出てくる。
働き方改革は最後
先述した経済評論家が、私のその話を聞いて膝を打った。
「理路整然と、まとめてくれてありがとう。私は現場を知らないから、うまく言語化できなかったが、しっくりきた」
「働き方を変えたら、職場の雰囲気がよくなり、組織目標も達成できるというのは幻想です。再現性がない」
「手順が逆、ということだな」
「資格に合格したいという人が、資格勉強の仕方ばかり考えていたら、いつまでたっても合格しませんよ」
働き方は、もちろん変えてもいいし、ある程度自由でもいい。ただし、組織人であれば、組織目標を達成させることが何より先だ。そのために、まず死に物狂いでハードワークすること。結局はこれが、何よりも大事なのである。
