うまくいかないのは他の何かの責任だと「他責」にしがちな若者とは真逆な思考を持っているから興味深い。
「他責」もそうだが「他勲」も一緒。このような思考のクセがある若者の言い分を、周囲は真に受けてはならない。3年も4年も結果が出ているなら、本物だ。結果が出る再現性の高い仕事をしている可能性が高い。
実際にAさんの行動履歴を追ってみたところ、いろいろなことがわかった。お客様の選定基準や、プロセスごとの行動スピード、そしてタイミングなど、見える化しづらい部分で、かなり同僚と異なるポイントを発見できた。
ちょっとした行動の「微差」だが、その「微差」の積み重ねで、お客様の信頼を勝ち取り、結果に結びつけてきた事実が垣間見えたのだ。
「自己効力感」の高め方
若者の自己肯定感が低いことを嘆いていても、はじまらない。
現場体験からも、「自己肯定感」よりも「自己効力感」のほうがコントロールしやすいのは明らかだから、まずはこちらを高めることに力を入れることを勧める。
先述したアルバート・バンデューラは、「自己効力感」の先行要因として以下の5つを挙げている。
1)達成経験......(自分自身で目標を達成した経験)
2)代理経験......(自分以外誰かの目標達成を観察した経験)
3)言語的説得......(自分にスキルや能力があることを言語的に説明・説得されること)
4)生理的情緒的高揚......(モチベーションがアップする生理現象)
5)想像的体験......(自分自身で目標達成することを想像すること)
これら5つをすべて意識するのは現実的ではないからポイントを2つに絞ると、(1)「達成経験」と(3)「言語的説得」を意識したい。現場に入っていると経営者やマネジャーが(4)生理的情緒的高揚にばかり意識を向けているのが気になる。なぜなら、そこではないからだ。
「やればできるのにモチベーションが低い社員がいる。どうすればモチベーションを高められるのか?」
と相談されることが多いが、そんなことより「達成経験」を積ませることだ。そしてその達成した要因を言語的に紐解き、ロジカルに「言語的説得」をすればいい。
これらの要素がうまく関連することで(5)想像的体験も増えて、「自己効力感」は高まっていく。「自己効力感」が高まることで、自分に対する意識も変わってくるだろう。
