つまり、従来型工業製品に頼る経済構造で成長し続けることが難しくなっていて、そのなかで将来性のある分野の一つとしてクリーンエネルギーがある。

こうした認識は程度の差はあれ多くの国にあるが、中国ではより強いとみてよい。

実際、欧州投資銀行の調査で「グリーントランジション(環境に配慮した社会への移行)が経済を成長させる」と回答した割合は、中国で67%にのぼり、アメリカ(57%)やヨーロッパ(56%)を上回った。

とすると、経済的スランプが続く限り、中国では温暖化対策への期待がむしろ高まるとみられる。

もっとも、それが温暖化対策に逆行する可能性も否定できない。経済成長を目的化したグリーントランジションは、すでに中国で表面化している電気自動車の過剰生産などを加速させる恐れすらあるからだ。

経済的利益は環境対策のインセンティブとしては重要だろう。しかし、主客が逆転すれば、本来の目的も遠のきやすい。

その行方は定かでないが、生産力が大きいだけに、中国における環境意識が世界の環境対策に大きなインパクトを及ぼすことだけは確かなのである。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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