さらに共和党支持者のなかには、より踏み込んだ支援の要求もある。
ギャロップの調査結果では、「イスラエル支援は適切な量」と応えた共和党支持者は37%で、民主党支持者の43%より少なかった。しかし、共和党支持者と民主党支持者の「少なすぎる」はそれぞれ37%、15%で、「適切な量」と「少なすぎる」の合計では共和党支持者の方が多かった。
この熱心なイスラエル支持とは対照的に、共和党支持者にはウクライナ支援に懐疑的な声が目立つ。「ウクライナが領土の一部を失うことになっても早期解決を目指すべき」という意見が目立つのも共和党支持者だ。
実際、共和党が議席の過半数を握る議会下院はこれまでもバイデン政権のウクライナ支援にブレーキをかけてきた。
共和党支持者のこの態度には、トランプ政権時代からの因縁をうかがえる。
2016年大統領選挙ではロシアが干渉し、トランプ当選をテコ入れした「ロシアゲート疑惑」が浮上した。その裏返しで、トランプ陣営は「バイデンがウクライナ政府と個人的に不正な関係を築いた」と主張してきた。
これに照らせば、トランプ支持者の多い共和党支持者に、バイデン政権による莫大なウクライナ支援を冷ややかにみる傾向が強くても不思議ではない。
この共和党支持者の態度が、無党派層とともに「ウクライナ支援が多すぎる」というアメリカの平均的世論を生む原動力になってきたといえる。
このように幾重ものねじれの上にアメリカの平均的世論は成り立っている。その行先は今年11月の大統領選挙にもかかわってくるだけに、バイデンはもちろんゼレンスキーやネタニヤフも無視できない。
それはもちろん、アメリカの方針に注意を払わざるを得ない日本政府もまた同様である。同盟国に足並みを揃えながらも自国の利益や立場を考えなければならない'ねじれ'は国際政治につきものなのだから。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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