ミャンマー情勢をめぐる2月4日の国連安全保障理事会の決議では、スー・チーらの解放と「民主主義への移行」、さらに国内諸勢力の対話や人権尊重が求められたものの、「内政不干渉」を強調する中国やロシアへの配慮から「クーデター」の文言が慎重に避けられ、制裁についても触れられなかった。

こうしたことはタイでもみられたため、ミルクティー同盟が中国を「共通の敵」と捉えても不思議ではない。

これがイメージの悪いことは、さすがに中国政府も理解している。だからこそ、中国政府は公式には「中国はミャンマー軍事政権を支持しているわけではない」と強調する。

そればかりか、中国政府系のグローバル・タイムズ(GT)は日本が欧米諸国とともにミャンマー軍事政権に批判的な立場を示したことについては、「日本はアジアの国なのに欧米に与した」と批判している。これはつまり「欧米vsアジア」の構図を持ち出すことで、中国の言い分がアジアを代表するというイメージ化を図るものだ。

しかし、ミャンマーが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)もクーデターに関する対応を検討し始めているが、これに関して中国がコメントすることはない。また、少なくとも部分的には「アジアの若者の声」を代表しているミルクティー同盟について、中国政府やGTが論評することもない。

これらを無視して「アジアの代表」として振る舞うほど、中国の言い分のもろさは際立つことになる。その意味で、アジア各地に広がるミルクティー同盟は中国をも揺さぶり始めているといえるだろう。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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