イスラエルの「戦略的課題」は未解決のまま
問題は、ハメネイ師が核兵器の製造能力をあくまでも抑止の手段と位置付けているのか、それとも実際に核兵器を製造して使用するつもりなのかということだ。その点、ネタニヤフは、イスラエルの破壊を誓う国家が核兵器製造能力を持つことを受け入れるより、その能力を「後退させる」ほうが望ましいと判断したのだ。
しかし、今回の軍事作戦は、イスラエルに長期にわたる安全をもたらすのか。アメリカの情報機関によれば、効果はイランの核開発能力の整備を「何カ月か遅らせる」程度にとどまるという。
今回の軍事作戦により、イスラエルの破壊を目指すイランの体制が変わるわけではない。それに、今のイスラエルが戦略上不安定な状況に置かれている根本原因であるパレスチナ人は、このまま国家を持たない状態が続く。それでもイスラエルとしては、目の前のリスクを取り除くために行動するほかないのだろう。国家の存続が脅かされていると考えているのだから。
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由
※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます