安全保障上の脅威という買収阻止の理由付けには疑問の声もある。日鉄はCFIUSに対し、USスチールの取締役会の過半数をアメリカ国籍とすること、そのうち3人はCFIUSが承認した人物にすること、生産や雇用を国外移転しないことなどを約束している。

いずれもトランプから見れば魅力的な提案だろう。また、この件が訴訟沙汰になれば、関税や防衛費に関する日本政府の譲歩を引き出す交渉材料に使うこともできる。

こうして見ると、日鉄のチャンスは思いのほか大きい。ゴンカルベスの暴言は、日鉄の勝利を本気で懸念している証拠なのだろう。
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