7. セルゲイ・ナルイシキン(SVR〔対外情報庁〕長官)

ナルイシキンは書類上、下院議長時代に私の教えていた大学の学長を務めており、約半年間私の上司だった。同大学を首席で卒業した私の妻はナルイシキンから卒業証書を授与され、そのときの写真を今も自宅で毎日見ている。現在はKGBの後継機関SVR(対外情報庁)の長官。観測筋の間では21年まで、高位ポストを次々と務めた経歴がプーチンに似てきたという見方があった。
だがプーチンは侵攻前夜の会議で、ナルイシキンを叱責した。政府はこの屈辱的な映像をロシア全土(そして全世界)に公開し、ナルイシキンは世間の笑いものになった。
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最終的には、この記事の冒頭でプーチンの後継者を予想するという試み自体を酷評したロシアの政治評論家の発言に戻らなければならない。その理由は、プーチンが権力を手放すことは決してない、と信じているからではない。特異な政治的サバイバルの才能を持つプーチンは、エリツィンの後継者選びの巧みさに感服したはずだと考えているからだ。
プーチンが後継者に指名されたのは唐突だった。その名前を伏せておくことで、プーチンが批判や攻撃の矢面に立つ事態を防いだのだ。プーチンも後継者の名をその時が来るまで秘密にしておき、その人物が次期指導者として正式決定するまで、あまり敵を増やさないようにする公算が大きい。個人的意見だが、プーチンはまだ自分が誰を後継ぎにしたいのかも分かっていないはずだ。
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