スリランカやキルギス、パキスタン、ラオス、ジブチなど、中国マネーの「債務の罠」に陥りつつある国に対し、日本の経団連傘下の企業はどんなほほ笑みを見せるのだろうか。

経団連は中国による裏切りの歴史を忘れている。日中平和友好条約が締結されて40年。その間に低金利の円借款は実質上の戦後賠償として、中国の近代化を支えてきた。だが中国人は「自力更生」と信じ込んでいる。

89年に鄧小平が天安門広場で民主化を求める学生と市民を虐殺。欧米が中国に制裁を科したのに対し、日本はいち早く天皇を訪中させて孤立から救い出した。だが中国は「打倒小日本(ちんぴら日本をつぶせ)」というスローガンを掲げる「愛国無罪」の理念を放棄しなかった。

そして今、トランプ米政権に制裁で窮地に追い込まれつつある習近平が、日米分断を図ろうと日本政府に接近してきている。安倍首相は経団連の言いなりではなく、冷静に中国を見る日本人の声に耳を傾けるべきだろう。

<本誌2018年10月30日号掲載>

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