残念ながら今でも原子力に関するリテラシーはあまり向上していないようで、嘘八百のフェイクニュースにころりと騙されてしまう。正しい知識を積み重ねていけば、日本の原発よりも中国国内のほうが気になって当然のはずだが。
私の故郷、湖南省は海のない中部に位置しているが、原発建設計画が着々と進められている。渇水や洪水が頻繁に起きる湖南省で果たして原発の安全性は担保されるのだろうか。最近になってようやく中国人の安全に対する意識も向上し、原発や化学工場の建設などに対する地元住民の反対デモが起きるようになってきたが、まだまだリテラシーは十分とはいえない。
日本政府は迅速かつ積極的な対応を
中国外交部や中国大使館まで情報拡散に手を貸したことで、すでに日本旅行の申し込みに影響が出ているようだ。
13日、中国の大手旅行会社・途益集団の幹部から私に連絡があった。福島原発の現状について冷静に解説している記事をSNSで紹介してもらいたいという頼みだ。はっきりとは言わなかったが、日本旅行の申し込みが減って困っているということだろう。私も少しでも力になれればという思いでフォロワーに紹介させていただいた。
それにしても、これほどの騒ぎになっているというのに日本政府の反応は鈍い。17日になってようやく在上海日本国総領事館が「福島第一原発事故に関するQ&A」なる文書を公開したが、対応が遅すぎる上にウェブサイトにひっそりとリンクを貼るだけではまったく宣伝効果がない。
中国が外交部定例記者会見で取り上げたのだから、日本は官房長官記者会見で発信するぐらいの積極性が必要ではないだろうか。日本人は控えめで謙虚なことを美徳としているが、風評被害を払拭するためには積極的な情報発信が必要だ。好調の訪日外国人客数が激減してから慌てても遅い。一刻も早い対応をお願いしたい。
【参考記事】フロリダ原発の周辺住民が怯える「フクシマ」の悪夢