ロシアが北方領土における戦闘機配備を再開しようとしていることはほぼ明らかであろう。

9月を前にして

ロシアは近年、北極海やオホーツク海の弾道ミサイル搭載原潜のパトロール地域を防衛すべく、国境地域における防衛網の強化を進めてきた。オホーツク海の南端に当たる北方領土における軍事力強化も、純軍事的にはその一端を担うものではある。また、前述した極東大演習「ヴォストーク2018」が間もなく始まることを考えれば、それを前に戦闘機が展開してくることにも一定の軍事的合理性は認められる。

ただ、「ヴォストーク2018」開始直前の9月11-13日にはウラジオストクで東方経済フォーラムが開催されることになっており、この枠内では日露首脳会談も予定されている。こうしたタイミングで20年ぶりの戦闘機配備にロシアが踏み切ったとすれば、そこに何の政治的意図もない(あるいは政治的影響を見込まない)と考えるのはナイーブの謗りを免れ得まい。

日本側としても7月31日の日露外交・防衛閣僚会合(2プラス2)において、北方領土での軍事力強化や演習活動に「冷静な対応」を求めたばかりである。

北方領土問題をめぐる将来について厳しい認識を新たにして帰途についたばかりではあるが、その今後が容易ならざることを改めて認識させられるニュースであった。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載で、8月3日付の記事です。