2016年以降の見通し

 国防省拡大幹部会議によると、2016年のロシア軍の見通しは次のとおりである。

 人員充足率 93%

 装備近代化比率 51%

  陸軍 37%

  航空宇宙軍 73%

  海軍 55%

  戦略ロケット部隊 62%

  空挺部隊 50%

 装備稼働率 91%

 予備物資準備率 100%

 このように、2016年もロシア軍の近代化はさらに続いていく予定であるが、そのペースは従来の計画よりも下方修正されることとなりそうだ。ロシア経済を見舞っている深刻な危機がその背景にはある。

 2016年度の国防予算は当初の予定どおり、3兆2000億ルーブル程度(約6兆円)となる見込みであるが、同年からスタートする計画であった2025年までの新装備計画は開始時期が2018年まで繰り延べられた。

 従来、ロシア軍が依拠していた装備近代化計画では、2020年をめどにとりあえず現状で保有している軍事力の近代化を図り、全軍の70-100%を近代化(軍種により相違がある)することになっていた。これに対して2025年までの新計画は、従来計画を発展解消し、新型空母や戦略爆撃機の調達など、本格的にロシアを「軍事大国」として復活させることを狙ったものであった。

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 現状では、新計画への移行はあくまで先送りされただけで放棄されたわけではないが、長期的な原油安が予想される中で2018年までにロシア経済が回復できるのか、そして現状でさえ過大な軍事負担(すでに国防費はGDPの4%、連邦予算の約2割を占めるに至っている)が経済回復の足を引っ張ることにはならないかが注目される。

 クドリン元財務相(同人が2011年に辞任した一因も膨大な軍事支出への反発であった)は12月、インターファックス通信に対して、ロシア経済はまだ底を打っておらず、原油価格の低下に鑑みれば2016年にはさらに悪化する可能性が高いと指摘した。原油価格の高騰を背景に復活を遂げてきたロシアの軍事力強化がこのペースで続くのか、頓挫することはないにせよ鈍化するのかが2016年の焦点となろう。