組織の最大の問題は、何が本当の問題かを取り違えていることだ
<日常的に問題と思えることは実は本当の問題ではない、「あるべき姿」から翻って考えよ>
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。企業の単年度の目標予算、中期経営計画の達成を目的に、現場で指導することが仕事です。
仕事のスタイルは、予備校や資格試験学校の講師と似ています。受講者が試験日までに合格できるよう最大の支援をすることが講師の仕事であるように、私たちがコンサルティングする際も、同様の意識で向き合っています。
したがって、できる限り「目標達成」以外に必要のないことに時間を費やしてもらいたくありません。特に昨今は「時短」がキーワードです。組織の重鎮が集まって何も解決しない会議を延々としていたり、あってもなくてもいいようなメールを組織内でぐるぐる回覧しているのを見ると、いい加減やめてもらいたいと思います。
「問題」を言葉の定義から考える
タイトルにもあるとおり、組織の最大の問題は、問題を問題として正しく捉えていないことです。
管理者研修をすると、すぐにわかります。
たとえば参加者である組織マネジャーの皆さんに、
「目標を絶対達成させるうえで、あなたの組織が抱えている問題は何ですか?」と質問してみると、
「部下のモチベーションが上がらないことです」
「組織内のコミュニケーションが活発でないことです」
「営業スキルが足りないことです」
「情報共有が足りないことです」
......など、いろいろと出てきます。グループディスカッションすると水を得た魚のように、現場への会社側の配慮のなさや、部下に対して感じる物足りなさを次から次へと口にします。時間が来て「ストップ」と言っても、なかなかやめないぐらいに盛り上がります。
次に私が、「その問題が解決したら、どのような姿になっているのか。あるべき姿を教えてください」と言うと、とたんに静かになります。先ほどまでの威勢のよさは、すっかり消え失せてしまいます。
「あるべき姿とは、部下のモチベーションが上がっていること」
「理想は、営業スキルが足りていること」
と、問題を反転させて口にする人もいます。
問題とは、あるべき姿と現状とのギャップを指します。問題をただ反転させてもあるべき姿にはなりません。
「貧乏」が問題であれば、「貧乏でないこと」が理想になってしまうのと同様で、あるべき姿がその程度では目指しようがないのです。
つまり、残念なことに多くのマネジャーは問題の本質がわかっていません。
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