米爆撃機2機が中国の防空識別圏に異例の進入

2020年11月19日(木)17時30分
ジョン・フェン

台湾国防部の記録によれば、中国の軍用機による台湾の領空侵犯は、9月以降、ほぼ毎日のように起きている。これについてアナリストらは、中国軍は台湾側がどれだけ迅速に反応するかを試しており、また深刻な人手不足に悩まされている台湾軍のパイロットと老朽化が進む装備の両方を消耗させる心理戦を仕掛けているのだと指摘する。

実際、中国軍機に対する緊急発進が増えるなか、17日夜には台湾空軍のF16戦闘機が訓練中に行方不明になる事故が発生。台湾の蔡英文総統は18日、空軍の保有するF16戦闘機、150機すべての運用停止を決定した。

台湾ではこれまでに、米国製F16戦闘機の大きな事故が7件発生している。台湾空軍が保有する米国製F16戦闘機はいずれも、ジョージ・H・W・ブッシュ米大統領時代の1992年にアメリカから購入し、ビル・クリントン大統領の2期目だった1997年から就役を始めている。

10月29日にも、F5E戦闘機が離陸直後に海に墜落する事故が発生し、パイロット1人が死亡。中国軍機による11月17日の台湾ADIZ進入は、蔡がこのパイロットの追悼式に参列したわずか数時間後に起きていた。

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