コロナ対策で緊張する中露国境の新たなホットスポット

2020年4月20日(月)18時00分
ケネス・ローゼン

ガーディアンは在ウラジオストクの中国領事館が16日に明らかにした話として、綏芬河から入境した中国人のうち累計で346人が新型コロナウイルスに感染していたと報じた。その3日前にロイターが伝えたところでは、黒竜江省における輸入症例326人のうち綏芬河で見つかったのは322人だった。ちなみに国家衛生健康委員会によれば、16日の時点で中国全土の輸入症例は1524人だった。

綏芬河では、住民は3日に1度しか外出が認められず、経済活動にも悪影響が出ている。武漢で感染拡大を防ぐために行われた道路封鎖などを思い出させる措置で、中国の国営メディアでは「綏芬河を防衛する戦い」と称されている。

中露のせめぎ合いは、在ウラジオストクの中国領事館と、中国と国境を接するロシアの沿海地方のやりとりからもうかがえる。

沿海地方には、国境封鎖により取り残された中国人330人がいる。当局が彼らの送還を発表したところ、中国の領事館はこの発表は「不正確」だと反論した。

沿海地方当局はその後、ウェブサイトから中国人の送還に関する文言を削除した。

(翻訳:村井裕美)

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