無知ゆえに米朝会談に乗ったトランプは、平和に対する最大の脅威

2018年3月12日(月)19時20分
ジェフリー・ルイス(ミドルベリー国際大学院東アジア不拡散プログラム・ディレクター)

トランプの子供じみた楽観主義が暗い憤りへと変わらないよう気をつけなければならない。そんなことになったら、2018年の世界は17年よりも危険になってしまうかも知れない。

トランプが現実を理解したら、彼はつるし上げる相手を探すだろう。非難の的になるのはレックス・ティラーソン国務長官だろうか。それならまだ運がいいほうだ。単にティラーソンがクビになってニッキー・ヘイリー国連大使が後釜に据えられるだけだからだ。

非難の矛先が文大統領に向かったらどうなるだろう。米韓関係の危機を招くだろうか? だが私が恐れているのは、トランプが金正恩に非難の矛先を向けることだ。誤解を招くようなことを言った金が悪いとの結論にトランプが達したら、非常に危険なことになるかも知れない。

つまりどうなるかは、トランプが責める相手として誰を選ぶかにかかっている。間違いないのは、トランプが自分自身を責めることはないということだ。

(翻訳:村井裕美)

From Foreign Policy Magazine

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