サッカーのヘディングで認知症に? 元イングランド代表キャプテンが不安を告白

2017年11月24日(金)18時50分
松丸さとみ

「英国で認知症に苦しむ人は85万人いるが、この中には多くのサッカー選手も含まれる」とシアラーはBBCに語った。とは言っても、サッカー選手の組合であるプロ・サッカー選手協会(PFA)でも、5万人の会員のうち何人が認知症を患っているか分からないとしている。デイリーメールによると、1966年のサッカー・ワールドカップで優勝した時のイングランド・チームで今も存命の9人のうち、3人がアルツハイマーを患っている。

「サッカー界は、認知症を抱えた高齢の元選手のことも面倒を見なければいけない。現役を引退したらお払い箱だという考え方を終わりにしなければ」とシアラーは訴えている。

「サッカーで脳に損傷が起こるとは...」

イブニング・スタンダードによると、イングランドのサッカー協会(FA)とプロ・サッカー選手協会(PFA)の共同委託により、元プロ・サッカー選手に認知症などの病気が多いのかを包括的に研究する団体が近々立ち上げられる予定だ。

元サッカー選手と認知症の関係について、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンでの調査などこれまで何度か小規模な研究は行われてきたが、本格的なものはまだ行われたことがない。

シアラーは番組内で、「プロとしてサッカーをプレイするなら、後年で膝や足首、腰に問題が出てくるだろうとは分かっているもの。私もそうだ。でもサッカーと脳の病気が関連するなんて思いもよらなかった」と語り、さらなる調査の必要性を述べている。

FAの医療責任者はミラー紙に対し、現役を引退したプロ選手を対象に研究を行い、できるだけ早く結果を出すようにする意向だと語った。また、脳に損傷が起こるとの証拠が出てくれば、子供のヘディングを禁止する可能性もあるとも話している。

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