現代の「日本のコンスティテューション」とはなにか~宇野重規×山本一郎対談(2)

2016年8月5日(金)19時22分
BLOGOS編集部

マイノリティが出てくる社会になったほうが良い

山本:都知事選には出馬しませんでしたが、蓮舫さんは、それこそ台湾から帰化されたということをベースに、自らに何が出来るかということを、かなり考えて来られたと思うんです。でも、結局は「浮動票が取れる人」というところで終わってしまう部分があって、「前回より60万票も減ったじゃねえか」みたいに票数だけで見られてしまうのは、もったいないことだなと。

宇野:蓮舫さんが、自分のオリジンを自分の言葉で表現出来るようになると、日本の政治文化は一歩前進すると思いますね。「台湾出身の親を持っている私が日本のリーダーになれる。これが日本の21世紀の姿だ」と言い切れてこそ、魅力があるんですけどね。

 沖縄問題であるとか、アイヌ問題とかを引き受けて、色々あったけれども、今はこういう方向でなんとか解決しようとしていると。それをもし示せれば、正々堂々と、中国に対してチベット問題を批判できるわけですよ。

山本:それこそ、もっと色んな国の人達が日本に帰化して議員になったらいいと思います。もちろん、いろんな摩擦も起きるし、ヘイトもあるかもしれませんけど、それこそ、沖縄、北海道、あるいは日本に定住し日本で暮らすことを決めた、ベトナムやインドやロシアその他、マイノリティの人達がどんどん出てくる社会になったほうが良いはずなんです。

宇野:その人達が、これが「日本のコンスティテューションだ」と言える日が来れば、世界に打って出られますけどね。

山本:そうしたいですけどね。

宇野:そうしていかなければいけないと思います。

『保守主義とは何か――反フランス革命から現代日本まで』
 宇野重規
 中公新書

※当記事は「BLOGOS」からの転載記事です。

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ