パリで過熱する日本ブーム 300万人が訪れた「ジャポニスム2018」の立役者たち
――今後、どのようにパリで日本文化を発信されるご予定でしょうか。
「ジャポニスム2018」は当会館の1年間の事業予算の約20倍です。つまり20年分の文化事業を約1年間、フランス各地で行ったことになります。今後、"憧れ"をさらに高め、維持していかないといけない。「日本への憧れを未来に繋ぐ」を、当会館の中期ビジョンのキャッチフレーズにしようとしています。それには次の世代、つまり若い人が興味を持つ企画を開催していくことが重要なのではと考えています。
また、当会館では、私が赴任してから3つの柱に沿って日本文化を発信しています。一つが伝統文化の今日的発現(現代日本文化)。二つ目が芸術と先端技術の融合。たとえばチームラボの作品のようなものです。三つ目が「周辺を知る」こと。例えば、ピカソやジャコメッティなどの芸術家は、アフリカのアートの影響も受けています。日本だとアジア、フランスだとアフリカなど周辺諸国の文化についても知らないと、日仏文化への"本当の理解"ができないと思うのです。そのため、アフリカやアジアとの交流も目指しています。
――日仏外交において、文化が果たす役割の重要性を教えてください。
日本とフランスにおいて"文化"は非常に重要です。ある地位の高いフランス人の方も「文化を通じた交流が、政治・経済に良い影響を与える」と断言していました。これは、まさにその通りだと思います。文化を通じた交流は、"憧れ"に繋がるからです。
また、「ラブ・エコノミー」という言葉があります。これは「ある製品を販売するには、製品を愛する人をたくさんつくることが一番重要だ」と主張しています。
両国の国民同士が互いの文化が好きだと、政治上の関係を超え、二国は繋がり、長く関係が続きます。それほど"文化"には、人を動かす"憧れ"という強力なパワーがあるのです。その意味で、民間企業の皆様や政府の継続的な文化支援を期待しております。
西川彩奈
フランス在住ジャーナリスト。1988年、大阪生まれ。2014年よりフランスを拠点に、欧州社会のレポートやインタビュー記事の執筆活動に携わる。過去には、アラブ首長国連邦とイタリアに在住した経験があり、中東、欧州の各地を旅して現地社会への知見を深めることが趣味。女性のキャリアなどについて、女性誌『コスモポリタン』などに寄稿。パリ政治学院の生徒が運営する難民支援グループに所属し、ヨーロッパの難民問題に関する取材プロジェクトなども行う。日仏プレス協会(Association de Presse France-Japon)のメンバー。
Ayana.nishikawa@gmail.com
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