ウーマン村本×パックン「原発や基地をやるきっかけは堀潤さん」

2019年8月7日(水)17時05分
ニューズウィーク日本版編集部

パックン 医療用村本さんを見てほしかった。

村本 そう。でも誰も近寄ってくれなくて、相方は吉本のNSC(吉本総合芸能学院)の1つ後輩なんです。すごいピュアで、他人の言うことをイエス、イエスと結構なんでも聞くんですよ。こいつだな、と! 自分たちで舞台設営してやるインディーズのライブで声かけて、ご飯に行って、僕の噂が耳に入る前にコンビを組んだ(2008年)。

3カ月やって売れなかったら解散しようと言っていたが、3カ月でM-1グランプリの3回戦まで行って、いろいろいい感じになった。それで2013年にTHE MANZAIで優勝して、テレビ出るようになって......。そこくらいからですよね、謎の違和感を覚えるようになったのは。

HISAKO KAWASAKI-NEWSWEEK JAPAN

「堀潤さんがいろいろ熱心に教えてくれた」

パックン じゃ、もう本題行きますよ。その軌道に乗っているところで、周りからちょっと懸念されるようなネタ作りを始めたのはなぜ?

村本 芸人が自分たちもサラリーマンだということに気付かずに、こういうもんだとやっていることが一番怖くて。例えばビジネス書でも「ああやれ、こうやれ」というのが多いように、芸人とはこうであれ、と言われて初めて安心できるのかなと思う。牧場の柵の中での居心地のよさをみんな知っている。

パックン 柵を壊したい? みんなその柵に気付いていない?

村本 柵に気付いていないのはあるでしょう。それに原発とか沖縄の基地とか、在日朝鮮人差別とかそういったものが日本にはいっぱいあるのに、気付いてないのか、気付かないふりをしているのか。そもそも気付くってことに対して、価値を求めていないのかも。僕がお笑いで原発や基地のネタをやるようになったのは、堀潤さんがいろいろ熱心に教えてくれたことがきっかけなんです。

パックン 堀潤さんとは共演していたんですか。

村本 (インターネットテレビ局AbemaTVのニュース番組)『AbemaPrime(アベマプライム)』で。(フジテレビの)『ワイドナショー』への出演依頼があったとき、まったくしゃべれなかったが、テレビで売れたい思いもあって出演させてもらった。そこで付け焼刃だけど一生懸命勉強して、思ったことを発言していたら『アベマプライム』のMCを任されて。どうしようかなと思っていたときに、共演者の堀潤さんがいた。勇気を出して堀さんの後を追いかけて、「参議院と衆議院について教えてください」と......。

そうしたら「えっ? ニュース番組のMCで35歳で、参議院と衆議院が分からない?」とびっくりされたんです。僕は「ここまで知ったかぶりしてやってきたんで、本当に知らないんです。いちから教えてください」と。「じゃあ、飲みに行きましょう」と連れていってくれて、朝の3時くらいまで話をした。

パックン どっちがおごったんですか。

村本 おごってくれたんですよ。

パックン それはダメでしょう。村本さん、授業料払わないと。

村本 でしょ? でもしゃべりがうまくなるための練習の組み手をしましたから(笑)。彼はその2時間後くらいに(東京MXテレビの)『モーニングCROSS』のMCをやっている。それなのに、ずっと付き合ってくれた。それで、いろんな情報を得ると「おっ」と思うようになって。自分はこれをどこで出すのかといえば、それはお笑い。お笑いは言いたいことを言う場所だと思っているから、テレビでそれをやったわけです。

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