一人当たりGDPが増えても普通の韓国人が豊かになれない理由

2020年1月8日(水)17時30分
金 明中

さらに、地域間の格差も広がっている。人口は首都圏に集中し、一部の地域の高齢化率は40%近くまで上昇し、過疎化が進んでいる。外国人の投資もソウルを中心とした首都圏や一部の地域に偏り、財政力指数も地域間で大きな差を見せている。持てる者と持たざる者の間の意識の差も広がっており、文在寅政権を支持する層と支持しない層もはっきり分かれている。つまり、現在、韓国社会は経済や意識などの多様な分野で二極化が進んでいると言える。

韓国政府が、家計の可処分所得の増加と国民の所得増加に対する満足度を高めるためには、大企業や貿易の偏っている現在の経済システムを変え、中小企業を育成すると共に、内需を活性化する対策を行わなければならないだろう。また、韓国社会に広がっている様々な二極化を解決し、皆が望む公正な社会を実現するために、どのような政策を優先的に実施すべきなのか等、慎重に議論を行う必要がある。

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