最新記事
中東

「街が死体の海に......」死者500人超、ハマスとイスラエルの大規模衝突におびえる市民 レバノンから砲撃も

2023年10月8日(日)17時33分
ロイター
ロケット弾が着弾した現場の前を歩く女性

パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの攻撃の応酬では、双方で民間人含め500人以上の死者が出た。衝突は8日未明も続いており、市民らは避難先で息をひそめている。写真は7日、ガザから放たれたロケット弾が着弾した現場の前を歩く女性(2023年 ロイター/Itai Ron)

パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが7日に行ったイスラエルへの大規模攻撃を受け、現地では8日もイスラエル軍とハマス武装集団との衝突が続いた。イスラエル、ガザ地区双方の死者は500人を超え、この50年で最大規模の被害となっている。

ハマスの部隊がイスラエルへの攻撃を開始したのは7日早朝。イスラエル南部に大規模なロケット弾攻撃を行い、その隙にガザから前例のない規模の複数部隊がイスラエルに侵入した。

イスラエル軍によると、8日にはレバノンから迫撃砲弾が撃ち込まれた。イスラエル側もレバノンに砲撃し、衝突は拡大の様相を呈している。

一連の攻撃でハマスはイスラエル人250人以上を殺害し、捕虜数十人を拘束してガザに帰還した。イスラエルはガザに猛反撃を加え、住民ら少なくとも250人が死亡した。

イスラエルのネタニヤフ首相は「この暗黒の日について、強力な報復を行う」と述べた。

イスラエル軍報道官によると、8日にはガザ周辺の8カ所で同軍が作戦を実施している。パレスチナ赤新月社によると、ガザの民家2軒がイスラエル軍に攻撃され、18人が死亡した。

パレスチナ保健当局によると、民間人の死者256人には子どもが20人含まれる。負傷者は1800人に上った。

車内で死んだふりをして生き延びた市民も......

ガザに近いイスラエル南部スデロットでは、イスラエル人の民間人の死体がガラスが散乱する道路に横たわり、自動車の中で死亡している男女の姿もあった。

住民のシロミさんは、「外に出てみたらテロリストや市民の死体がたくさんあった。スデロットでは、道路沿いやそのほかの場所が死体の海になっている」と話した。

民家の奥深くに身を隠したイスラエル市民らは、恐怖におののきながら電話やテレビで状況を説明した。

武装集団の襲撃を受けたダンスパーティー会場から脱出したというエスター・ボロチョフさんは、脱出しようと乗った車の運転手が至近距離から撃たれて死亡したため、車内で死んだふりをして生き延びたという。

「脚を動かすことができなかった。後で(イスラエル)兵士が来てバスに乗せてくれた」と、ボロチョフさんは入院先の病院でロイターの取材に答えて振り返った。

一方、ガザでは黒煙や赤い炎が空を染めていた。今回の衝突で殺害された戦闘員の遺体が、緑色のハマスの旗にくるまれて運ばれていった。

ガザでは、負傷者や死者が病院に運び込まれているが、施設は老朽化して大混雑しているほか、医療器材も著しく不足している。空襲で被害を受けた現場に向かう救急車のほかは通りに動きはない。イスラエル側が電力供給を停止したため、ガザ全体が闇に包まれた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

東京アメリカンクラブ
一夜限りのきらめく晩餐会──東京アメリカンクラブで過ごす、贅沢と支援の夜
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米デル10%安、AI最適化サーバーのコスト高騰や競

ワールド

トランプ氏、ハリス前米大統領の警護打ち切り=当局者

ビジネス

7月の米財貿易赤字、22%増の1036億ドル 輸入

ビジネス

独CPI、8月速報は前年比+2.1%に加速 予想上
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界がうらやむ国」ノルウェーがハマった落とし穴
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    自らの力で「筋肉の扉」を開くために――「なかやまき…
  • 8
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 9
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 10
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中