最新記事

軍事

ウクライナ軍、ハイマースより高性能なATACMSで遠方からロシアを攻撃? 前線から離れた場所で爆発相次ぐ

2022年8月20日(土)16時24分
ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)

ロシア軍が制圧しているウクライナ領の前線から離れた場所で19日にかけて爆発が相次ぎ、ロシア軍の供給ルートを遠方から攻撃するウクライナ軍の能力が高まっている可能性があることが示された。写真はウクライナ軍が使っている可能性がある陸軍戦術ミサイルシステム。REUTERS

ロシア軍が制圧しているウクライナ領の前線から離れた場所で19日にかけて爆発が相次ぎ、ロシア軍の供給ルートを遠方から攻撃するウクライナ軍の能力が高まっている可能性があることが示された。

ロシアが2014年に併合したクリミア半島では、セバストポリの北にあるロシア軍のベルベク空軍基地付近で爆発が発生。セバストポリにはロシア黒海艦隊の本部が置かれている。

クリミア半島の反対側にあるケルチでも巨大な炎が上がった。ケルチにはロシアとクリミア半島を結ぶ巨大な橋がある。

このほか、ロシア国内ではベルゴロド州の弾薬庫で爆発があり、近隣の村落2つの住民が避難した。ベルゴロド州はウクライナとの国境に近いが、ウクライナ軍が支配する地域からは100キロ以上離れている。

ロシアのタス通信とロシア通信(RIA)はクリミア当局者の話として、19日夜にクリミア西部のイェウパトーリヤ港付近でロシア軍の対空部隊が活動していたと報じた。ロシアのウェブサイトに掲載された動画には、地対空ミサイルのようなものが空中の目標に命中している様子が映っている。ロイターはこの映像の真偽を確認できていない。

これに対し欧米当局者は19日、爆発のうち何件かはウクライナ軍による攻撃だったとし、ウクライナ軍は現在は前線から遠く離れた地域を攻撃できるようになっていると指摘。ウクライナは、前線の奥深くまで攻撃できるようになったことで戦闘の流れが変わること望んでいる。

ウクライナ当局者は、クリミアで発生した爆発の約半分はウクライナ軍による攻撃だったとしている。ただ、ウクライナが「陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)」を保有しているかについては明らかにしなかった。ATACMSはウクライナが6月に使用を開始した高機動ロケット砲システム「ハイマース」よりも射程が長い。

クリミア半島ではこれまでも軍用飛行場などで爆発が発生。西側当局者は19日、クリミア半島ノボフェドロフカ付近のサキ軍用飛行場で9日に起きた爆発で、ロシア黒海艦隊の海軍航空戦闘機の半数以上が使用不能になったとの見方を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、AI政策で統一的枠組み 州規制の標準化狙う

ワールド

ロシア中銀が利下げ、政策金利15%に 中東情勢巡る

ビジネス

独連銀総裁、ECB利上げの可能性示唆 エネ高騰によ

ワールド

トランプ氏、日中が関与なら「素晴らしい」 ホルムズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 9
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中