最新記事

中国外交

中国当局、オーストラリア「反中」研究者2人の入国禁止

2020年9月25日(金)09時48分

中国共産党系の環球時報は、中国当局がオーストラリアの「反中」研究者2人の入国を拒否したと報じた。写真は北京で5月撮影(2020年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

中国共産党系の環球時報は24日、匿名筋の話として、中国当局がオーストラリアの「反中」研究者2人の入国を禁止したと報じた。

オーストラリア政府が9月上旬に中国人研究者2人のビザ(査証)を取り消したことを受けた動きという。

同紙によると、入国が禁止されたのはチャールズスタート大学のクライブ・ハミルトン教授(公共倫理学)とオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のアナリスト、アレックス・ジョスク氏。

中国外務省報道官は、報道を確認することは控えたが、外国人を入国禁止する権利を有しているとし、両国の関係悪化について豪側を非難した。

ハミルトン氏は2018年の著作の中で、中国共産党がオーストラリアの国内政治に影響を及ぼそうとしていると非難した。

同氏はロイターに対し、電子メールで「私の名前は何年も前から中国政府の危険人物リストに載っているが、今回の入国禁止措置は予想していなかった」と明らかにした。また、自身とジョスク氏に対する入国禁止措置はオーストラリア政府による中国人研究者のビザ取り消しへの「報復」との見方を示した。

環球時報はジョスク氏の所属するASPIについて、「反中プロパガンダを広め反中問題をねつ造している」と指摘した。

ジョスク氏はツイッターで、今回の入国禁止措置は「中国共産党の活動に光を当てる人物を処罰する同党の試みの一環」と投稿。中国への渡航は危険すぎると以前から考えており、ここ何年も中国のビザの所持も申請もしていないと明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米防衛企業20社などに制裁 台湾への武器売却

ワールド

ナジブ・マレーシア元首相、1MDB汚職事件で全25

ビジネス

タイ中銀、バーツの変動抑制へ「大規模介入」 資本流

ワールド

防衛省、川重を2カ月半指名停止 潜水艦エンジンで検
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中