最新記事

軍事衝突

中国=インド国境で軍事衝突 インド側兵士20人が死亡

2020年6月17日(水)09時11分

インド軍は16日、越境を巡り数週間前から中国軍とにらみ合いが続いていた国境付近で衝突が起き、兵士20人が死亡したと発表した。写真はインド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州で2009年11月、両国の軍幹部による会合が行われた場所で撮影(2020年 ロイター/Adnan Abidi)

インド軍は16日、越境を巡り数週間前から中国軍とにらみ合いが続いていた国境付近で衝突が起き、兵士20人が死亡したと発表した。

インド軍によると、衝突が起きたのは15日夜、両国の係争地域であるラダック地方のガルワン渓谷。中国外務省もインド側と衝突があったことを認めたが、中国軍側の被害は明らかにしていない。一方、インド外務省は双方に犠牲者が出たとしている。両国の軍幹部が事態収拾のため協議しているという。

インド政府筋は、交戦では鉄の棒や石が使われ、銃は使用されなかったと明かした。

中国外務省は、インドに対して問題につながる一方的行動を取らないよう警告。報道官によると、インド軍が両国の合意に違反して中国側を挑発、攻撃したため深刻な事態に至ったという。

インドと中国は国境を巡り1962年に軍事衝突。それ以降も協議を続けたが国境を巡り紛争解決には至っていない。国境防衛隊の間で小競り合いが起こることはあったが、犠牲者は30年以上出ていなかった。

インド軍当局は、中国軍兵士が5月初めに複数の場所で実効支配線(LAC)を越境したとし、それ以降両国側で協議が持たれたが進展はなかった。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・スウェーデンの新型コロナ感染者数が1日最多に、死亡率も世界屈指
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・フロリダの新規感染者1日で最多の2000人超 アメリカに忍び寄る新型コロナ第2波
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200623issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア「H20」は安全保障上の懸念=中国国営

ワールド

中国、米にAI向け半導体規制の緩和要求 貿易合意の

ワールド

北朝鮮、軍事境界線付近の拡声器撤去を開始=韓国軍

ワールド

米、金地金への関税明確化へ 近く大統領令=当局者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 2
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋肉は「光る電球」だった
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 5
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中