最新記事

新型コロナウイルス

「37.5度以上はオフィス入室禁止」 日本企業もウイルス感染対策に本腰へ

2020年2月17日(月)18時15分

環境未整備の企業も

もっとも、在宅勤務を導入しようにも、環境整備が進んでいない企業も少なくない。ある電機メーカーは、「基本的に全員出社する仕組みのため、テレワークの施設・設備が整っていない。ようやく社内議論が始まったが、少なくとも、今回の新型肺炎への対策としては間に合いそうにない」としている。

別の電機メーカーは、過去に時差出勤を導入した際、総じて勤務時間が延び、結局は制度を取りやめた。開発部門など一部の出勤時間が遅れることで、それに連なる試作や調達などの部門まで引きずられる弊害が生じた。

一方、生産の現場では、シフトの組み換えなどにまで踏み込む企業はまだ目立たない。もともと帽子やゴーグル、マスクなどを着用しており、一定の対策は講じているとの立場だ。間接業務の職場に比べて「特段、新たにできることは少ない」(自動車メーカー関係者)と話す。

また、多くの工場が郊外に立地するため、通勤は自動車で個別に移動する機会が多く、工場での作業もある程度の距離を保って作業する。「満員電車で出勤し、隣席と近い距離で仕事をしている都市部に比べれば、濃厚接触のリスクは低いのではないか」(同)との声が聞かれた。

(平田紀之、山口貴也、白木真紀 編集:久保信博※)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200225issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月25日号(2月18日発売)は「上級国民論」特集。ズルする奴らが罪を免れている――。ネットを越え渦巻く人々の怒り。「上級国民」の正体とは? 「特権階級」は本当にいるのか?


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアがキーウに夜間攻撃、子ども4人含む15人死亡

ワールド

欧州新車販売、7月は昨年4月以来の大幅増 BYDが

ワールド

アングル:英国で広がる「国旗掲揚運動」、反移民気運

ワールド

アングル:超長期金利が上昇一服、財務省の発行減額巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「どんな知能してるんだ」「自分の家かよ...」屋内に侵入してきたクマが見せた「目を疑う行動」にネット戦慄
  • 3
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪悪感も中毒も断ち切る「2つの習慣」
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 6
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 7
    「1日1万歩」より効く!? 海外SNSで話題、日本発・新…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    イタリアの「オーバーツーリズム」が止まらない...草…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中