最新記事

経済制裁

北朝鮮、安保理追加制裁を戦争行為と非難 「制裁支持国に報復」示唆

2017年12月25日(月)08時39分

12月24日、北朝鮮の外務省は、国連安全保障理事会が採択した追加制裁について、戦争行為であり、完全な経済封鎖に等しいとした上で、追加制裁を支持した国に報復すると警告した。国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が外務省の声明を伝えた。写真は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長。KCNA提供(2017年 ロイター KCNA/via REUTERS)

北朝鮮の外務省は24日、国連安全保障理事会が採択した追加制裁について、戦争行為であり、完全な経済封鎖に等しいとした上で、追加制裁を支持した国に報復すると警告した。国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が外務省の声明を伝えた。

安保理は22日、北朝鮮が11月に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことを受け、同国に対する追加制裁決議案を全会一致で採択した。同決議は北朝鮮への石油精製品輸出を年間50万バレルに制限することで同国への輸出の約90%を禁止するほか、北朝鮮の海外出稼ぎ労働者の24カ月以内の本国送還を求めるもの。

北朝鮮外務省は声明で、「米国は北朝鮮の核戦力を恐れ、北朝鮮にかつてないほど厳しい制裁と圧力を加えることに熱狂している」と非難。「われわれは、米国とそれに追随する国が策定した制裁決議は北朝鮮の主権に対する重大な侵害であり、朝鮮半島や地域の平和と安定を乱す戦争行為だとみなすとともに、断固として決議を拒否する」と宣言した。

外務省はさらに「この制裁決議を支持した国々は、決議で生じたすべての結果の責任を負うことになる」とし、「われわれはこれらの国に確実に重い代償を払わせる」と警告した。

今回の決議には北朝鮮の後ろ盾となってきた中国とロシアも賛成した。

中国政府は23日、追加制裁は対話を通じた平和的な問題解決の必要性を強く示していると説明するとともに、すべての当事者は緊張を和らげるための措置を講じる必要があるとの考えを示した。

韓国外務省はロイターに対し、追加制裁に関する北朝鮮側の発表は認識しているとした上で、追加制裁について、北朝鮮が挑発行為をすぐにやめ、非核化に向けた対話に応じる以外に選択肢がないとする国際社会の警告だと強調した。

[北京/ソウル 24日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルおおむね下落、米景気懸念とFRB

ビジネス

ステーブルコイン普及で自然利子率低下、政策金利に下

ビジネス

米国株式市場=ナスダック下落、与野党協議進展の報で

ビジネス

政策不確実性が最大の懸念、中銀独立やデータ欠如にも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 7
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 8
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中