最新記事

イギリス政治

次期英首相レースの本命メイは、21世紀版の「鉄の女」?

2016年7月7日(木)16時10分
ジューン・トーマス

Dylan Martinez-REUTERS

<離脱派のジョンソン前ロンドン市長が出馬を送ったことで、最有力候補に躍り出たメイ内相。EU離脱問題では残留派だったが、論争に深入りしなったために党内離脱派からの反感は買わずに済んでいる>

 EU離脱国民投票を受けて辞意を表明したキャメロン首相の後任は誰になるのか。与党・保守党の次期党首選びが始まった。

 離脱派を率いたジョンソン前ロンドン市長は出馬見送り。テリーザ・メイ内相とマイケル・ゴーブ司法相の争いになるのがほぼ確実だが、ブックメーカーによれば、9月の党首選の本命はメイだという。テリーザ・メイとは、どういう政治家なのか。

 党首選出馬表明のスピーチではこう述べている。「高い地位を目指す政治家の中には、イデオロギーが動機の人もいるし、野心や名誉欲が動機の人もいる。私はもっと素朴な思いで出馬を決意した。牧師の娘、軍人の孫として育った私は、物心ついたときから社会に奉仕したいと思っていた」

 そして「華」はなくても「目の前の仕事を片付けていく」タイプと自分を評する。売りは経験豊富な実務派で、対立をあおらないこと。「初日から仕事に取り掛かれる首相が必要なときがあるとすれば、それは今だ」

【参考記事】英政界にまた衝撃、ボリス・ジョンソンの代わりにこの男??

 メイは10年のキャメロン政権発足以来、内相を務め続けている。6年という内相在任期間は、第二次大戦後で最長だ。

 イギリスの内相は、首相、財務相、外相と並ぶ4大重要ポストの1つだが、内相経験者が首相になることはほとんどない。警察、移民、テロ対策など、政治的地雷原とも呼ぶべき分野を担当する役職だからだ。

警察改革の実績は大きい

 しかし、メイの仕事ぶりはおおむね評価が高い。「過去半世紀で最大規模の警察改革を指揮し、政府統計によれば犯罪率も減り続けている」と、リベラル派のガーディアン紙も書いている。警察の問題点にも切り込んでいるし、「レイプ事件の捜査放置や人身売買など、女性に対する暴力の問題にも力を入れてきた」と同紙は評価する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ビットコイン、数日間で26億ドル資金流出 悪材料重

ワールド

ロシアはエネルギー停戦ほぼ順守、前線では砲撃続く=

ビジネス

米防衛大手が今年の設備投資拡大、トランプ氏の配当・

ビジネス

訂正-自動運転の米ウェイモ、評価額1260億ドルで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 5
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 6
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 7
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 8
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中