最新記事
SDGsパートナー

7時間以上を家事や介護に費やす中学生も...日本イーライリリーが挑む「ヤングケアラー支援」

2024年12月13日(金)16時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
子どもらしい時間を過ごせぬままに、悩むヤングケアラーの厳しい現実(写真はイメージです) kitsune05-Shutterstock

子どもらしい時間を過ごせぬままに、悩むヤングケアラーの厳しい現実(写真はイメージです) kitsune05-Shutterstock

<子どもらしい時間と引き換えに、家事や介護を担う子どもたち。日本イーライリリー株式会社は、製薬企業としての使命感から「ヤングケアラー」への支援活動を展開している>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

大人の役割を背負う「ヤングケアラー」が直面する現実

晩婚化、核家族化、離婚率の上昇、そして経済的困難。これらの社会変化が絡み合う中で、「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもたちを取り巻く環境が社会問題として注目を集めている。「ヤングケアラー」とは、本来、大人が担うべき家事や介護を日常的に担い、重い責任を負わされている子どもたちのことだ。

厚生労働省の調査によると、「家族の世話をしている」と答えた中学2年生の11.6%が、毎日「7時間以上」を家事や介護に費やしている。

ヤングケアラーが直面する問題は多岐にわたる。学び、遊び、休息といった子どもらしい時間が奪われることで、心身の健康が損なわれる。さらに、家庭内の事情から外部の目に触れにくく、ヤングケアラー自身が自分を助けが必要な存在と認識していないことも少なくない。その結果、支援が行き届かず、社会的に孤立しやすい状況に置かれることが指摘されている。

こうした状況を打破し、ヤングケアラーへの理解を深め、その環境を改善するために日本イーライリリー株式会社は立ち上がった。同社は「ヤングケアラーを取り巻く環境改善プロジェクト」に取り組み、SDGs達成に向けた社会的責任を果たそうとしている。

イーライリリー・アンド・カンパニーは150年近くの歴史を持ち、世界で初めてインスリン製剤を実用化したグローバル製薬企業だ。その日本法人である日本イーライリリーは、米国本社に次ぐ規模を誇り、国内製薬企業の中でも成長を続けている。

同社は2022年から「認知向上」「支援強化」「情報提供」の三本柱を掲げ、ヤングケアラーを取り巻く環境の改善を目指して支援を推進している。映画の上映会、公開講座、パネルディスカッションを通じてヤングケアラーの現状を広く伝えるとともに、シモーネ・トムセン社⾧をはじめとする社員有志によるチャリティ活動や、社会見学先の紹介など多方面で支援団体をサポート。さらに、子どもたちが自由な時間を楽しみ、将来を思い描けるようにするための本を、全国の子ども食堂や児童館に寄贈している。

newsweekjp20241211031845-ecfb93dcd102429976bd353eb6f8c702e178436a.jpg

日本イーライリリー株式会社 代表取締役社長 シモーネ・トムセン氏(左)と「ふうせんの会」代表理事 濱島淑惠氏(左から2人目)とのチャリティーウォーク(2022年9月)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国産業相が近く訪米、ラトニック商務長官と会談へ

ワールド

タイ財務省、26年の成長率予想を2.0%に据え置き

ワールド

インドネシア大統領のおいが中銀副総裁に、議会が承認

ビジネス

基調インフレ指標、12月は3指標そろって2%下回る
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに...宇宙船で一体何が?
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 8
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中