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足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我との違い、危険なケースの見分け方とは?

Man Finds Faint Brown Line on Toenail, Turns Out To Be Cancer

2025年2月2日(日)13時05分
ルーシー・ノタラントニオ

判明した病名「爪甲下悪性黒色腫」とは?

2024年1月、(公的保険でなく)民間医療保険で医療機関を受診すると、デイビッドとケリーの懸念は真剣に受け止められ、生検が行われた。そして8週間後、爪甲下悪性黒色腫(sub-ungual melanoma)と判明した。これは、末端黒子型黒色腫(Acral lentiginous melanoma:ALM)の一種だ。

「知識がある私にとって、この診断は朗報だった。表皮内黒色腫(melanoma in situ)だったためだ」とケリーは話す。「しかし、デイビッドは病名を聞いて不安になった」

キャンサー・リサーチUKによれば、表皮内黒色腫とは、がん細胞が、発生した表皮内にとどまっている状態を指す。つまり、がん細胞は皮膚の奥深くに入り込んでいないということだ。

本誌は、腫瘍外科医のケリー・オリノ博士に取材し、一般集団における黒色腫症例の0.7~3.5%が該当するこの病気について詳しく聞いた。米イェール大学がんセンターのスミロウ・メラノーマ・プログラムを率いるオリノは、爪甲下黒色腫について、爪床(そうしょう:爪の根元にある部分)の下に発生する悪性黒色腫の一種だと説明する。

「爪甲下黒色腫は、メラノサイト(色素細胞)から発生する。メラノサイトは、皮膚の奥深くでメラニン色素を生成する正常な細胞だが、紫外線に関連する典型的な黒色腫が発生する場所でもある。ただし爪甲下黒色腫は、太陽光を浴びることとは無関係だ」

爪の変色は、素人目には、アザや足の指をぶつけた結果に見えるかもしれない。しかし、爪への外傷は、1週間から数カ月で回復する。

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