ニュース速報
ワールド

米ロ首脳会談前にロ軍が攻勢、ウクライナ・欧州は不利な和平条件懸念

2025年08月13日(水)09時30分

 ロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領の首脳会談を15日に控える中、ロシア軍はウクライナ東部で攻勢を強めている。写真は攻撃するウクライナ軍。8月11日、ウクライナのハルキウ州で撮影(2025年 ロイター/Sofiia Gatilova)

Andrew Osborn Lili Bayer

[モスクワ/ブリュッセル 12日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領の首脳会談を15日に控える中、ロシア軍はウクライナ東部で攻勢を強めている。占領地域を広げ、ウクライナに領土割譲圧力をかける可能性があり、欧州首脳らは米ロ首脳会談がウクライナに不利な和平条件を押し付ける可能性を懸念する。

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の完全制圧を目指し、鉱山都市ドブロピリャ付近まで前進した。

トランプ大統領は、和平合意にはロシアとウクライナの「双方にとって利益となるような」領土の交換が含まれると述べている。

しかし、争われている地域は全てウクライナ国内にあるため、ゼレンスキー大統領や欧州連合(EU)諸国は、ロシアよりもはるかに多くの領土を放棄するようウクライナに圧力がかかることを懸念している。

米ホワイトハウスは12日、米ロ首脳会談について、理解を深める機会になるとし、停戦に向けた大きな進展への期待を和らげた。

ホワイトハウスのレビット報道官は、今回の会談にはロシア・ウクライナ戦争の当事者のうち一方のみが参加するとした上で、「この戦争をいかに終結に導けるか、トランプ大統領がより確かな理解を得るための機会になる」と指摘。「トランプ大統領にとってリスニング・エクササイズ(傾聴)の場になる」と述べ、停戦合意が直ちにまとまるわけではないとの見方を示唆した。

ゼレンスキー氏と欧州首脳の多くは、ウクライナが交渉の席に着かなければ永続的な和平は得られないとし、合意は国際法、ウクライナの主権、領土の一体性に則ったものでなければならないと述べている。

ゼレンスキー氏と欧州首脳は13日にトランプ氏とオンライン協議を行い、こうした懸念を強調する方針だ。

ゼレンスキー氏は12日、領土問題はロシアが停戦に合意した後に議論するべきことだとし、ウクライナ軍を東部ドンバス地域から撤退させるようロシアが提案した場合、ウクライナは拒否すると述べた。

EU加盟のハンガリーを除く26カ国の首脳は12日、ウクライナ国民は自分たちの将来を決める自由を持つべきであり、外交的解決策はウクライナと欧州の利益を守るものでなければならないとする声明を発表した。プーチン氏に近いハンガリーのオルバン首相は承認しなかった。

オルバン氏は12日、米ロ首脳会談を前に、ロシアはウクライナ戦争に勝利したと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン紛争が生んだ米欧の亀裂、NATOは危機から「

ビジネス

アイリスオーヤマ、ライフドリンクC株買い増し 10

ワールド

ロシア前大統領、ウクライナのEU加盟に警戒感

ワールド

ロシアがウクライナに断続的空襲、ハルキウで死傷者
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トランプ関税が米国民に与える「破産」の苦しみ
  • 4
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 5
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    満を持して行われたトランプの演説は「期待外れ」...…
  • 8
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 9
    日本の男女の賃金格差は世界でも突出して大きい
  • 10
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中