ニュース速報
ワールド

性別は「男性と女性のみ」、トランプ氏が多様性政策撤廃へ大統領令

2025年01月21日(火)16時24分

トランプ次期大統領は20日の就任後、多様性・公平性・包摂性(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン=DEI)に関するプログラムを撤回し、米連邦政府は男性と女性の2つの性別のみを認めるとする大統領令を発令する。2019年5月撮影(2025年 ロイター/Demetrius Freeman)

Bianca Flowers Daniel Trotta

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、連邦政府が男性と女性の2つの性別のみを認め、変更はできないとする大統領令を出した。

「ジェンダー(社会・文化的性差)」ではなく「セックス(生物学的性差)」という用語を使用することを政府に命じるとともに、パスポートなど政府発行の身分証明書について「男性または女性という個人の変更不可能な生物学的分類」に基づくことを義務付けた。

就任後数時間でバイデン前政権が実施した多様性政策を撤廃するという公約を実行。人種的平等を支援し、ゲイやトランスジェンダーに対する差別と闘う少なくとも12の施策を含め、バイデン前大統領が署名した78件の大統領令を無効化した。

トランプ氏は就任演説で、「今週、私は公私のあらゆる側面で人種や性別を社会的に操作しようとする政府の政策も終わらせる」と述べた。

「われわれは肌の色に関係なく、実力主義の社会を築く。きょうから、性別は男性と女性の2つのみというのが米政府の公式な政策となる」と語った。

公民権・人権擁護団体は少数派を保護し、トランプ大統領の政策に異議を唱えると表明。米国最大のLGBTQ+(性的少数者)の権利擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」のプレジデント、ケリー・ロビンソン氏は声明で「われわれは引き下がることも、言いなりになることも拒否する。われわれはどこにも行かないし、これらの有害な措置に対して全力で反撃する」と述べた。

米企業の間では最近、多様性・公平性・包括性(DEI)推進の取り組みを後退させる動きが出ているが、コストコやアップルなど取り組みを継続する方針を維持する企業もある。

大統領令の一環として、連邦資金は「ジェンダー・イデオロギー」を促進するためには使用されなくなる。この用語は保守派グループがよく使い、セックスやジェンダーに関する非伝統的な見解を広めるあらゆるイデオロギーを指す。権利擁護団体は反LGBTQの典型的な表現であり、非人間的な用語と見なしている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トルコ裁判所、最大野党党首巡る判断見送り 10月に

ワールド

中国は戦時文書を「歪曲」、台湾に圧力と米国在台湾協

ビジネス

エヌビディアが独禁法違反、中国当局が指摘 調査継続

ビジネス

無秩序な価格競争抑制し旧式設備の秩序ある撤廃を、習
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中