ニュース速報
ワールド

ガザ病院で凍結保存中の胚数千個が死滅、イスラエルの攻撃で

2024年04月18日(木)11時56分

 4月17日、パレスチナ自治区ガザで不妊治療を手がける最大の病院アル・バスマIVF(体外受精)センターで昨年12月、凍結保存されていた胚など数千個がイスラエルの攻撃により死滅したことが病院関係者などの話で明らかになった。写真は同センターの壊れた冷蔵庫の中にある検体の入ったチューブ。パレスチナのガザで2日撮影(2024 ロイター/Dawoud Abu Alkas)

Imad Creidi

[17日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザで不妊治療を手がける最大の病院アル・バスマIVF(体外受精)センターで昨年12月、凍結保存されていた胚など数千個がイスラエルの攻撃により死滅したことが病院関係者などの話で明らかになった。

関係者によると、イスラエル軍が放った爆弾が病院の一部を破壊。これにより、胚を超低温で凍結保存するために使う液体窒素を保管していたタンク5個の蓋が壊れ、液体窒素は蒸発してタンク内の温度は上昇した。この結果、凍結保存されていた胚4000個に加え、検査用の精子と未受精卵子1000組余りが死滅した。

1997年にこの病院を開業した産婦人科医は「これら5000もの命もしくは潜在的な命が親にとって何を意味するのか、深く理解している。カップルの少なくとも半分は、もはや精子や卵子を作れないため、二度と妊娠する機会はないだろう。私の心は粉々に打ち砕かれた」と述べた。

イスラエル軍の広報はロイターの取材に対し、この報道について調査すると話した。イスラエルは民間のインフラを意図的に標的にすることはないと表明しており、イスラム組織ハマスが医療施設を軍事行動の拠点にしていると非難。ハマスはこうしたイスラエルの主張を否定している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    拡散中のハリス副大統領「ぎこちないスピーチ映像」…
  • 9
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中