ニュース速報

ワールド

中東全域に反イスラエルデモ拡大、欧州でも治安懸念

2023年10月19日(木)05時45分

パレスチナ自治区ガザの病院が攻撃され数百人の死者が出たことを受け、中東各地で反イスラエル抗議活動が拡大している。18日、アンマンで撮影(2023年 ロイター/Alaa Al Sukhni)

[18日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザの病院が攻撃され数百人の死者が出たことを受け、中東各地で反イスラエル抗議活動が拡大している。一部は暴徒化し、治安当局との衝突による死者も出た。

パレスチナ当局は18日、イスラエル軍がヨルダン川西岸のラマラ近郊で10代のパレスチナ人2人を射殺したと発表した。住民によると2人はイスラエルに抗議してタイヤに火をつけようとしていたという。

レバノンでは、ベイルート北部の米大使館付近での抗議行動がエスカレートし、治安部隊が催涙ガスと放水銃で鎮圧に乗り出した。

イランでは、全土で政府主催のデモ行進が行われ、デモ隊は「アメリカに死を」「イスラエルに死を」と書かれた横断幕を掲げて行進した。イランはパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの後ろ盾であり、イスラエルと長年にわたり対立関係にある。

イラクでは、イランが支援するシーア派民兵グループの支持者約300人が、バグダッド中心部の旧米軍管理区域(グリーンゾーン)に通じる橋の近くで抗議活動を行った。

ヨルダンの首都アンマンでは、数千人がイスラエル大使館へのデモ行進を計画していたが、機動隊が押し返した。警察によると、デモ隊はイスラエル大使館付近の敷地に放火。この衝突で警官数人が負傷した。

イエメンでは、首都サヌアで数千人がデモ行進した。フーシ派の幹部はイスラエルの嘘と憎悪を非難し、戦意をむき出しにした。

中東情勢の悪化を受け、各国は国民に対し警戒を呼び掛けている。

サウジアラビアは自国民に対し、レバノンからの退避を勧告。レバノン南部国境付近で武装組織ヒズボラがイスラエル軍と銃撃戦を繰り広げている状況を理由に挙げた。

フランス外務省も、自国民にレバノンへの渡航を控えるよう勧告していると述べた。

このほか、欧州各地で治安への懸念が高まっている。イタリアは、特に混雑した場所での監視や、攻撃の標的になりそうな場所の警備を強化した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

テスラ、30年までに年2000万台納入との目標を削

ビジネス

米SEC、イーサ現物ETF上場を承認 年内に取引開

ワールド

ブラジルと中国、ロシアとウクライナ双方参加の和平交

ワールド

米大統領選後の暴力、有権者の7割が懸念=世論調査
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決するとき

  • 2

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレドニアで非常事態が宣言されたか

  • 3

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」...ウクライナのドローンが突っ込む瞬間とみられる劇的映像

  • 4

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 5

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 6

    韓国は「移民国家」に向かうのか?

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 9

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 10

    国公立大学の学費増を家庭に求めるのは筋違い

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 8

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 9

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 10

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中