ニュース速報

ワールド

ロ大統領、戦術核配備でベラルーシと合意 「国際条約違反せず」

2023年03月26日(日)11時28分

 ロシアのプーチン大統領(写真)は25日、隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備すると発表した。ロシアのモスクワで24日撮影。提供写真(2023年 ロイター/Sputnik/Alexei Babushkin/Kremlin)

[25日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は25日、隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備すると発表した。ロシアが国外に戦術核を配備するのは1990年代半ば以来となる。

これについて米政府高官は、ロシアとベラルーシが過去1年間協議してきたと指摘し、ロシアが核兵器の使用を計画している兆候はないと述べた。

プーチン氏は国営テレビに対し、ベラルーシのルカシェンコ大統領が以前から同国への戦術核兵器配備に関する問題を取り上げてきたと指摘。「米国は何十年も前から戦術核兵器を同盟諸国に配備している」とし、同様の措置を取ることでベラルーシと合意したと説明した。

核拡散防止条約に違反しないとの認識も示した。

具体的な配備時期には言及しなかった。ベラルーシは北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランド、リトアニア、ラトビアと国境を接する。

米国科学者連盟の核情報プロジェクト責任者、ハンス・クリステンセン氏は「NATOを威嚇しようとするプーチン氏のゲームの一環だ。ロシアは国内にこれらの兵器と部隊を多く持っており、ベラルーシへの配備よる軍事的効用はない」と述べた。

合意の一環として、ロシアは7月1日までにベラルーシで戦術核兵器の貯蔵施設を建設する予定。

プーチン氏は配備する戦術核兵器について「譲渡はしない。米国は同盟国に譲渡していない。われわれは基本的に彼らが10年間行ってきたのと同じことをしようとしている」と述べた。

また、ベラルーシに戦術核兵器を搭載できる航空機を10機配備したと明らかにした。核兵器を発射できる戦術ミサイルシステム「イスカンデル」をすでに同国に配備しているとも述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

医薬品メーカー、米国で350品目値上げ トランプ氏

ビジネス

中国、人民元バスケットのウエート調整 円に代わりウ

ワールド

台湾は31日も警戒態勢維持、中国大規模演習終了を発

ビジネス

中国、26年投資計画発表 420億ドル規模の「二大
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中