[‍シンガポール/ジャカルタ 29日 ロイター] - インドネシア株式市場が、指数算出会社MSCIの警告を受けて急落。当局は29日、投資資金の流出を食い止めるため対策を打ち出した。

MSCIは28日、インドネシア企業の所有構造と取引の透明性に懸念があり、問題が解決しなければフロンティア市場に格下げする方針を示した。ジャカルタ株式市場は29日までの2日間で約9%下落した。

プルバヤ財務相は29日、主要株価指数の急落は一時的なショックであり、同国の経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)に問題はないと述べた。

ハルタルト経済担当調整相は、株価急落を受けて政府が証券取引所運営会社に対し改革と透明性向上を求めたと説明。証取は、保有比率が5%未満の株主の関係性について確認を進める方針を示した。

金融サービス庁は、上場企業に義務付ける浮動株比率を現在の7.5%から15%へと2倍に引き上げると発表した。マヘンドラ・シレガー長官は会見で、MSCIの指摘に対応するため、監視体制の迅速化や実効性向上など、複数の追加策を講じる方針を示した。MSCIとの協議は現時点で前向きに進んでおり、提示した対策への回⁠答を待っている段階だと説明し、3月までに問題を解決したいとの考えを示した‍。MSCIのフィードバックを「有益な情報」として受け止めており、必要に応じてさらなる政策調整にも柔軟に対応すると述べた。

<投資家の信認低下>

インドネシアを巡っては、プラボウォ政権の財政拡張路線や市場・金融政策への介入などへの懸念から通貨ルピアが最安値を付けるな‍ど、すでに投資家の信認低下が顕著になっていた。

LSEGのデータによると、‍海外投資家は2025年にインドネシア株を13兆9600億ルピア(8億3400万ド‍ル)相当売却。1月も売却が続いている。

MSCIの警告を受けて投資銀行のゴールドマン・サックスとUBSは29日、インドネシア株の推奨を引き下げた。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ゲイリー・タン氏は、マクロ経済に関するネガティブ材料やルピア⁠安という状況下でMSCIから出た警告で、「パッシブ投資家やベンチマーク重視の投資家が『とりあえず売って後で考える』という行動に出た」⁠と述べた。

アナリストの間では今のところ可‍能性が低いと考えられているが、フロンティア市場に格下げされれば、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、ベトナムと同等になる。

ゴールドマンは、格下げとなれば22億─78億ドルの資金が流出する可能性を指摘。同社のストラテジストは、「インドネシアは、民間消費の低迷、信用成長の鈍化、法定上限に迫る財政赤字の拡大など、マクロ的な課題に直面している」と指摘し、同国市場は引き続き圧力を受けると予想した。

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