米求人件数、7月は767.3万件に減少 3年半ぶり低水準

米労働省が4日発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が23万7000件減の767万3000件と、3年半ぶりの低水準となった。2023年4月撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)
Lucia Mutikani
[ワシントン 4日 ロイター] - 米労働省が4日発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が23万7000件減の767万3000件と、3年半ぶりの低水準となった。ただ、労働市場の減速は秩序立っており、米連邦準備理事会(FRB)が今月の会合で0.50%ポイントの利下げを検討するほどの落ち込みではないとみられる。
エコノミスト予想は810万件だった。
6月分は791万件と、前回発表の818万4000件から下方改定された。
採用件数は27万3000人増の552万1000人。宿泊・飲食サービスで15万6000件増加したが、連邦政府では8000件減少した。採用率は6月の3.3%から3.5%に上昇した。
レイオフ・解雇数は20万2000人増の176万2000人と、2023年3月以来の高水準となったが、歴史的水準から見ればなお低い水準にある。7月の増加は、宿泊・飲食サービス業で7万5000人、金融・保険業で2万1000人、それぞれ増加したことが主因。
レイオフ・解雇率は6月の1.0%から1.1%に上昇した。
7月の失業者1人当たりの求人件数は1.07件と6月の1.16件から減少し、21年5月以来の低水準となった。
業種別の求人件数は、医療・社会扶助部門で18万7000件、州・地方政府(教育を除く)で10万1000件、それぞれ減少した。
運輸、倉庫、公共事業でも8万8000件減少。一方、専門・ビジネスサービスでは17万8000件、連邦政府では2万8000件、それぞれ増加した。
求人率は6月の4.8%から4.6%に低下した。
コメリカ・バンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムス氏は、労働市場は依然としてかなり堅調だが、過去1年半で劇的に冷え込んだと指摘。「就職を希望する米国人の大半は仕事に就いているが、解雇されたり、別の仕事を望む労働者にとっては、仕事の機会や選択肢が少なくなっている」と述べた。