Howard Schneider
[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が21日に公表した10月31日─11日1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、当局者は今後の利上げについて慎重なアプローチを取ることが可能であり、インフレ低下の進展が不十分であることを示す情報が入ってきた場合にのみ、金利を引き上げる必要があるとの見解で一致した。
FRBは10月31日─11日1日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。決定は全会一致で、2会合連続での利上げ見送りとなった。
議事要旨は「慎重に進む状況にあるとの見方で全ての参加者が一致した」とした。FOMC内で追加利上げへの支持が後退し、インフレを巡る悪いサプライズがなければ、金利を据え置く方向にベースラインがシフトしている可能性を示した。
議事要旨は現在の政策金利をどれくらいの期間維持する必要があるかに焦点を当てており、FRBの政策対話での重要な変化を示唆した。
「参加者はインフレ目標に向けた進展が不十分であることを示す情報が入ってきた場合、さらなる金融引き締めが適切だと指摘した」とし、追加利上げを促すにはある程度の予期せぬショックが必要となる可能性を示唆した。
この文言は、9月のFOMCの議事要旨には含まれていなかった。9月会合では依然として「大半の参加者」があと1回の利上げが必要との見方を示していた。
一方、今回の議事要旨は「全ての参加者」が、現在の金利状況を「維持することが適切と判断した」としている。
議事要旨はFRBが利上げを終了したものの、インフレが再び加速しないとより多くの当局者が確信するまでは明言しないという見方を裏付ける形となり、金融市場の反応は限定的だった。
CMEグループのフェドウオッチによると、金利先物市場は追加利上げの確率を引き続きほぼゼロと予想し、来年4月30─5月1日のFOMCでの利下げ確率は約60%に若干上昇した。
米国株は議事要旨発表後に下げ幅をやや拡大してマイナス圏で終了、ドル指数は小幅に上昇し、米国債利回りは低下した。
議事要旨ではFRBの政策立案者が経済指標の相反するシグナルに苦戦していることが示された。経済へのリスクがより「二面的」になる中、FRBはインフレ再燃を依然として警戒するとともに、金融引き締めが行き過ぎ、景気見通しを損なうことも懸念している。
米経済成長率は第3・四半期に年率4.9%の伸びを示した。一方で金利の上昇は、インフレ率をFRBの目標の2%に戻すために必要な度合いを超えて経済と雇用の伸びを抑制する恐れがある。
議事要旨は「(FOMC)参加者は長期利回りの上昇でここ数カ月の金融情勢が大幅に引き締まっていることに言及した」と記した。
同時に、インフレ率はFRBの目標を「大きく上回ったまま」であり、FRBの政策は「インフレ率が持続的に低下することが明らかになるまでしばらくの間、制約的な姿勢を維持する」ことが求められる可能性があるとも記した。
BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「議事要旨の全体的なトーンは慎重なタカ派だった。制約的な領域に『しばらくの間』とどまることへのコミットが、最も明確なポイントだった」と述べた。
FRBのパウエル議長は1日のFOMC後の記者会見で、高止まりするインフレと、信用状況の引き締まりや景気の減速感との調整を図るFRBの取り組みについて「慎重な」という表現を多用した。
FRBが重視する指標に基づくインフレ率は前年同月比3.4%と、FRB目標を大きく上回っている。政策金利をこれ以上引き上げる可能性は低いと考えられるものの、それには触れようとはせず、政策立案者らがおおむね慎重にアプローチすることで一致した。