ニュース速報

ビジネス

政府・与党、困窮者向け給付金など経済対策案が浮上=関係筋

2021年03月01日(月)09時27分

 3月1日、政府・与党内で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた生活困窮者を対象とした給付金の支給案が浮上している。 写真は2019年6月、東京スカイツリーから撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 1日 ロイター] - 政府・与党内で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた生活困窮者を対象とした給付金の支給案が浮上している。現在国会で審議中の2021年度予算案成立後の4月以降の取りまとめを目指す。昨年一律に支給された給付金は富裕層にも配られたことなどから政府内には慎重な意見もあり、今回は対象を限定したい意向だ。複数の関係筋が1日までに明らかにした。

政府は昨年、緊急事態宣言を全国で発令した際に取りまとめた20年度1次補正予算で全国民に対して1人当たり10万円、総額約12兆9000億円の給付金を配布した。財源は全額国債で賄った上、給付金の一部は貯蓄に回ったことなどから、麻生太郎財務相を中心とした財政再建を重視する政府・与党幹部らは、給付金の再支給には慎重姿勢を示してきた。

現在審議中の21年度予算案にはすでに不測のコロナ対応などに充当するため5兆円と巨額の予備費が盛り込まれており、当面の必要経費は予備費の範囲内で賄う方針とみられる。

菅内閣の支持率は昨年末の感染拡大と共に急落、報道各社の調査では3─4割の水準にとどまっている。年初からの大都市圏での緊急事態宣言などで飲食店・観光関連業者の苦境が続いており、女性の自殺増加など社会不安が拡大しかねないコロナ禍長期化を懸念する与党議員は多い。自民党の高鳥修一衆院議員ら有志は9日、生活困窮者への10万円の給付金の再支給や児童扶養手当の特別増額、フードバンクや市区町村に対するコメなど農産品の給付といった経済対策を、自民党の下村博文政調会長に求めている。

21年度予算案は昨年末にコロナ第3波が本格化する直前に取りまとめられていたため、脱炭素などの環境技術やデジタル化などの成長戦略に軸足があり、コロナ対策が不十分との見方がある。このため野党は予算案の組み替え動議を提出している。

(竹本能文)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は4日続伸、一時初の4万5000円台 ハイ

ビジネス

GDPギャップ、25年4―6月期は需要超2兆円=内

ビジネス

午後3時のドルはドル147円付近、売り材料重なる 

ワールド

ロシア、200以上の施設でウクライナの子どもを再教
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中