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FRBの健全性審査、全行が基準クリア 自社株買いを容認

2020年12月19日(土)18時39分

米連邦準備理事会(FRB)は18日、今年2回目となる大手銀行のストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。写真は2018年7月撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が18日に発表した大手銀行に対するストレステスト(健全性審査)の結果は、すべての対象行が最低資本要件をクリアした。FRBは大手行に課していた自社株買いなどを制限する措置を緩和した。

ストレステストの実施は今年2回目。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に伴う悪化シナリオの下、各行が抱える損失額は6000億ドル超と、前回のテスト時と比べて拡大するものの、十分な自己資本の蓄えがあるとし、全行が最低資本要件をクリアした。各行の貸倒引当金は約1000億ドルに達した。

クオールズ副議長(金融規制担当)は声明で「過去1年間にわたり、銀行システムは力の源となってきた。今回のストレステストの結果により、将来の経済が急激に不利な方向に転じても、大手行は家計や企業への融資を継続し得ることが確認された」と評価した。

さらに、前回6月に発表した配当支払いの制限や自社株買いの禁止を緩め、前年の純利益を超えない程度でこうした施策を行うことを認めた。

これを受け、JPモルガン・チェースは2021年第1・四半期に300億ドルの自社株買いを行うと発表。ゴールドマン・サックスなども来年から自己株式を取得する方針を明らかにした。

こうした中、融資の継続を確実にするためにも銀行は資本を確保することが一層賢明として、ブレイナード理事が自社株買いに反対したことが分かった。

*内容を追加しました。

ロイター
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