ニュース速報

ビジネス

米小売売上高、10月は0.3%増 前月の落ち込みから持ち直す

2019年11月16日(土)03時07分

11月15日、米商務省が発表した10月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の落ち込みから持ち直した。ただ衣料や高額の家庭用品の売り上げは減り、好調な年末商戦への期待が後退する可能性がある。写真は3月15日、ニューヨーク市の小売店で(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した10月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の落ち込みから持ち直した。ただ衣料や高額の家庭用品の売り上げは減り、好調な年末商戦への期待が後退する可能性がある。市場予想は0.2%増だった。

9月の小売売上高は改定なしの前月比0.3%減。7カ月ぶりのマイナスだった。

10月の前年同月比は3.1%増だった。

自動車とガソリン、建材、食品サービスを除いたコア指数は前月比0.3%増と、前月の落ち込みから持ち直した。9月は当初発表の横ばいから0.1%減へ下方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も大きく連動するとされる。

今週発表された統計は物価上昇率が安定してきたことを示す内容で、直近で追加利下げする可能性は低いとする米連邦準備理事会(FRB)の姿勢を後押しした。今月発表された10月の雇用統計も好調だったほか、サービス部門の活動は加速した。

統計に加え、米中貿易摩擦の緩和を受け、景気後退懸念が和らいだ。パウエルFRB議長は14日の議会証言で、ほかの先進国と比べて「米経済はスター(最も優れている)だ」と評価し、「この状態を続けることができない理由はない」と述べた。

FRBは先月、今年3度目となる利下げを決めた。7月に2008年以来初めてとなる利下げに踏み切って以降、金利を引き下げ続けてきたが、今回は利下げの休止を示唆した。

米経済の3分の2以上を占める個人消費は第3・四半期に年率で2.9%増だった。失業率は50年近くぶりの低水準にあり、個人消費を押し上げている。設備投資と製造業の低迷につながった16カ月間の米中貿易摩擦による経済への打撃を和らげている。

10月の小売売上高の前月比の内訳は、自動車が0.5%増、9月は1.3%減少していた。ガソリンスタンドは1.1%増。9月は0.1%減だった。10月の値上がりはガソリン高を反映した。オンライン小売り・通販は0.9%増だった。9月は0.2%増加していた。

一方、電子・家電は0.4%減少した。建材は0.5%、衣料は1.0%それぞれ減少した。家具は0.9%減と、18年12月以来の大幅な落ち込みだった。外食は0.3%減と、1年近くぶりの大幅なマイナスだった。運動・娯楽は0.8%減少した。

ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンの企業エコノミスト、ロバート・フリック氏は「第2・四半期から浪費が抑制され、より慎重な姿勢になりつつある。通商面の緊張に加え、依然堅調だが雇用の鈍化を懸念しているのだろう。このような傾向が続けば年末商戦はそれほど盛り上がらないものになる」と述べた。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英CPI、10月3.6%に鈍化 予想と一致

ビジネス

エア・インディア、中国・新疆ウイグル自治区上空の飛

ビジネス

東京海上、純利益予想を下方修正 外貨間為替影響やア

ビジネス

農林中金、4ー9月期の純利益846億円 会社予想上
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 10
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中