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シェル、世界経済減速で自社株買い計画に狂いも

2019年10月31日(木)20時21分

 10月31日、英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが31日発表した第3・四半期決算は、石油・ガス取引部門が好調で予想を上回る利益を計上したが、世界経済の不透明感から250億ドル規模の自社株買いをペースダウンする可能性があると表明した。写真はアルゼンチンのブエノスアイレスのシェル店舗。2018年3月撮影(2019年 ロイター/Marcos Brindicci)

[ロンドン 31日 ロイター] - 英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが31日発表した第3・四半期決算は、石油・ガス取引部門が好調で予想を上回る利益を計上したが、世界経済の不透明感から250億ドル規模の自社株買いをペースダウンする可能性があると表明した。

原油価格が前年比で17%も下落したにもかかわらず予想を上回る利益をあげたのは、大幅のコスト削減などの取り組みの成果といえる。

しかし、シェルは、米中が貿易戦争を繰り広げる中で原油・ガスへの需要が鈍化し、業績に影響が及ぶ可能性があると指摘した。

ベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は声明で、2020年末までに250億ドル相当の自社株を買い戻す方針に変わりはないとしたものの、「マクロ経済環境の低迷や厳しい見通しで、2020年中の自社株買い完了や負債比率を25%に下げる目標に不確実性が生じている」と述べた。

第3・四半期の負債比率は27.9%で、前年同期の23.1%から上昇した。

シェルは、配当や自社株買いを通じて、2021─2025年に株主還元を1250億ドルに増やす計画。

2018年7月以降、120億ドル相当の自社株を買い戻した。31日、2020年1月27日を期限とする27億5000万ドルの自社株買いを開始したと発表した。

第3・四半期の在庫評価の影響を除いたカレント・コスト・オブ・サプライ(CCS)ベースの純利益は前年比15%減の48億ドルで、同社がまとめたアナリスト予想の39億1000万ドルを上回った。

石油・液化天然ガス(LNG)取引部門が好調だった。

「第3・四半期は、原油・ガス価格下落や化学製品の利益率低下にもかかわらず、キャッシュフローと利益は好調だった」(ファン・ブールデンCEO)としている。

石油・ガス生産は日量360万石油換算バレルで、前年比1%減少。

営業キャッシュフローは122億5000万ドルで、第2・四半期(86億3000万ドル)、前年同期(121億ドル)いずれも上回った。

配当や自社株買いの原資になるフリーキャッシュフローは101億ドルで、前年同期の80億ドルから増えた。

ロイター
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