ニュース速報

ビジネス

ドル下落、貿易摩擦懸念で一時2週間ぶり高値=NY市場

2018年07月14日(土)06時57分

 7月13日、終盤のニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨バスケットに対し下落した(2018年 ロイター/THOMAS WHITE)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨バスケットに対し下落。中国の6月の対米貿易黒字が過去最大に膨らんだことを示す統計を受け、米中貿易の緊張が高まるとの懸念からドルに逃避買いが入る場面もあったものの、米株価上昇し、週末を控え比較的薄商いとなったことから下げに転じたことが指摘された。

主要通貨6指数に対するドル指数<.DXY>は0.07%安の94.740。一時95.241まで上昇し、6月29日以来の高値を付けた。

は一時対ドルで半年ぶり安値となる112.79円を付けたものの、その後は上げに転じ0.2%高の112.30円で推移。

ユーロ/ドルは一時9日ぶり安値となる1.1610ドルを付けたものの、その後は前日比ほぼ横ばいの1.1680ドル。

人民元はオフショア取引で一時0.5%安の1ドル=6.7250元と、3日に付けた11カ月ぶり安値の6.7326元に迫った。

アナリストによると、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日、減税策や歳出拡大策で経済が少なくとも3年間は押し上げられるとみられる中、米経済は良好な位置にあるとの考えを示したことを受け、朝方にはドル買いが先行した。

パウエル議長は来週議会で経済・金融政策に関する半期に一度の議会証言を行う。これに先立ち、FRBは同日、半期に一度の報告書を議会に提出。年前半の米経済は底堅く成長しており、引き続き緩やかな利上げが適切との認識を示した。

ムニューシン米財務長官が中国との通商問題について、中国側に構造的な変革を行う意思がある場合、米国は交渉を再開する可能性があるとの考えを示したことを受け、貿易摩擦巡る懸念が一部後退した。

この日は下落したものの、市場ではドル上昇軌道に変更はないとの見方が根強い。

アムンディ・パイオニア・インベストメンツの為替戦略ディレクター、パレッシュ・ウパドヤヤ氏は、貿易戦争を巡る懸念が世界経済成長への下振れリスクを浮き彫りにし、ドルへの追い風となる中、「ドル上昇に歯止めをかける要因を想定することは困難」との認識を示した。

ドル/円 NY終値 112.36/112.39

始値 112.60

高値 112.64

安値 112.28

ユーロ/ドル NY終値 1.1685/1.1686

始値 1.1622

高値 1.1688

安値 1.1619

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訂正-野村HD、国内初のVC投資型デジタル証券発行

ワールド

仏大統領が訪中へ、脅威に対処しつつ技術へのアクセス

ワールド

アングル:トランプ政権のAIインフラ振興施策、岩盤

ビジネス

中国万科の債券価格が下落、1年間の償還猶予要請報道
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 9
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中