『アステイオン』本誌

2019/12月発売
vol091

特集:可能性としての未来──100年後の日本

2019/12発売

100年前の1920年(大正9年)、ジャーナリスト三宅雪嶺は主宰する雑誌『日本及日本人』で「百年後の日本」を特集した。学者、教育者、政治家、文学者、ジャーナリスト、官僚、軍人、労働運動家、宗教関係者など300人を超す人々が原稿を寄せ、100年後の日本について論じた。『日本及日本人』から100年後の今、改めて100年後を予測することで、現在を生きる我々が未来を創る活力の糧としたい。

目次

【特集】

  • 巻頭言田所昌幸
  • 可能性としての今――先人たちの予測した2020年の日本田所昌幸
  • 可能性としての過去――ヴェルサイユ条約100年論争史大久保明
  • 皇室は世界の安寧のために君塚直隆
  • 生存、安全から幸福、歓待へ松森奈津子
  • 1000年前から見たら熊倉功夫
  • それでも私たちは愚直に未来を予測し続ける渡辺 靖
  • ぜいたくは敵だから、結婚しませんトイアンナ
  • 折り畳み百年福嶋亮大
  • 存続意義を失う地方都市江頭 進
  • 名探偵コナンはまだ続いているデイヴィッド・A・ウェルチ
  • 高まる魂の経験値辛酸なめ子
  • 人間の本性と歴史の生地は変わらず袴田茂樹
  • それでも民主主義は「ほどよい」制度だろう待鳥聡史
  • 希望、だって(笑)。玄田有史
  • どの「日本」が生き残っているのか飯尾 潤
  • 鴨川のほとりにて阿川尚之
  • 座る身体のゆくえ沖本幸子
  • 予測とは観察のことだ 猪口 孝
  • 「今を生きる」の意味宮野公樹
  • 保守の支配するリベラルな国前田健太郎
  • 自発性が強制されない時代になればいいが武田 徹
  • 30年後くらいならともかく中西輝政
  • 肌色復古主義と真正涙論争林 晟一
  • 文明の出直し・月面の日本基地より張 競
  • 借りモノとしての衣服小形道正
  • ミソジニーを超えた文化へ池上裕子
  • 日本語表記がローマ字になっている佐藤卓己
  • 強烈な個性が跳躍する世界での日本らしさ岩間陽子
  • 企業社会からPR社会へ?河 炅珍
  • 乱立する価値観共同体は共存できるか隠岐さや香
  • 人口小国として生きる上野千鶴子
  • 「イメージ」と化す芸術三浦 篤
  • 森林があれば牡蠣は育ち続ける畠山重篤
  • 袖ふれあうそれぞれの暦牧原 出
  • 一寸法師計画藤森照信
  • 日本発の新たな哲学安西祐一郎
  • したたかに生き延びる神社宮武実知子
  • やはり「人」は不確実性の下で生きている白石 隆
  • 昆虫化日本 越冬始末五百旗頭薫
  • 西太平洋連邦を目指して北岡伸一
  • 過去から見る住宅の未来本田晃子
  • X氏との対話細谷雄一
  • 本は絶滅しない田尻久子
  • グローバル化のもとでの分断と連帯前田亮介
  • 百分の一秒後の未来奥本大三郎
  • 「思想」は生き残れるか苅部 直
  • 歴史を語る快楽はまだまだ続く山崎正和
  • ハイテク・プラス・「昭和」の日本を夢見て酒井隆史
  • 美味しさの本質は不変だ鳥井信吾
  • いまと変らない世界川本三郎
  • 人生観、終末観の変化佐伯順子
  • 悠久の都道府県?砂原庸介
  • 百年後とは長過ぎる高階秀爾
  • けだるい生・死権力のゆくえ遠藤 乾
  • トランプの末裔に翻弄される日本久保文明
  • 孫どもへの期待芳賀 徹
  • 「東京時代」は「近代」になる宮本又郎
  • 不機嫌な人間ロボットで一杯になる猪木武徳
  • 人恋しい国? 鷲田清一
  • 昔、日本は「借金大国」だった土居丈朗
  • 100年という「無」青木 保
  • 「何が変わらないか」から考える苅谷剛彦
  • 百年後にも百年後は問われるだろうか?三浦雅士
  • 世界の常識に抵抗する日本・希望をもって占うシルヴィオ・ヴィータ
  • 世界が存在する偶然を小川さやか
  • 100年後に記された「長い21世紀」の歴史池内 恵

【写真で読む研究レポート】

  • SPレコード袋のデザインを探る京谷啓徳

【地域は舞台】

  • 住民による住民のための浜松まつり(静岡県浜松市)東 浩紀

【座談会】

  • グローバルな問題への適応をめぐってデイヴィッド・A・ウェルチ
    +ジョナサン・ラウシュ
    +久保文明+ビル・エモット
    +田所昌幸

【連載】

  • 夢を種蒔く人・厨川白村――鉄は熱いうちに打て 三高で過ごした日張 競
  • 平成史――大災害頻発の時代(上)五百旗頭真
  • 世界史の変容・序説――「まなざし」の起源三浦雅士
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