梁文鋒は高速取引を行うためにAIに関心を持ち、2021年までに10億元を投じてエヌビディアのA100を1万個以上も購入した。2023年5月に社内にAIチームを立ち上げ、これをDeepSeekと称した。

DeepSeekが業界の注目を集めたのは2024年5月に発表したDeepSeek-V2による。この段階ですでにMulti-head latent attention とDeepSeekMoEというDeepSeekの独自技術が使われていた(DeepSeek-AI, 2024)。

DeepSeekで特筆すべき点は開発した生成AIがすべてオープンソースになっていることである。DeepSeek-V3のファイルサイズは700GBと大きいものの、ユーザーはそれをダウンロードして使ったり、改良したりすることができる(The Economist, 2025)。

そればかりか、その技術に関する詳細な論文が公開されており、そこにはそれを作成したスタッフの名前も掲載されている。一方、ライバルのGPTやClaudeはクローズドであり、その技術の中身に関する情報も限られている。

もしDeepSeek-V3が中国の悪い面について口ごもることが気に入らないのであれば、ダウンロードして中国の暗部について再教育すればよく、自分の入力内容が中国政府に筒抜けになることが心配なのであれば、自国のサーバーにインストールして使えばよいのである。

さっそくメタでは4つの作戦室を設けてDeepSeekをダウンロードして解析し、自社のモデルを改善するためのリバース・エンジニアリングに取り組んでいるそうである(劉・屈、2025)。

科学発想だからこそのオープンソース
【関連記事】