要するに、EVとガソリン車とは競合関係にあり、政府がEVへの転換を進めたいのであれば、単にEVをやんわりと補助金で応援するだけでなく、ガソリン車を抑えつける政策も必要になる。

となると、EVとガソリン車の両方を手掛ける自動車メーカーは社内で深刻な利益相反に陥ることになろう。社内のEV部門は、政府に対して、強力なEV優遇策を打ち出さなければ転換は進まず、二酸化炭素の排出削減もできませんよ、とロビイングをかけ、ガソリン車部門は政府に対して公平な政策を採るように求める。

日本でアイ・ミーブが失敗し、EVへの転換もいっこうに進まないのは、結局日本にはEV専門メーカーもなければ、EVに社運を懸ける自動車メーカーもないからではないだろうか。日本の自動車メーカーは、いわばリスク・ヘッジのつもりで片手間でEVを手掛けているにすぎないように思われる。

IMG_20190705_193523.jpg
高速道路のパーキングエリアではEVから電源を引き、電気調理器具で料理をする光景も(筆者撮影)
【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます