これまで中国は外国のハイテク企業の投資を手放しで歓迎してきた。中国の技術水準は先進国より低いので、外国企業の投資を通じて中国の技術が流出するなんてことは心配する必要はなかった。今後は、外国企業の子会社を通じて中国の技術が流出して国家の安全に影響が及ぶ恐れがあるとなれば、外国企業の進出を食い止められることになる。これから中国での事業を始めようとしている企業にとっては、本国の政府が中国ともめた時にそのとばっちりを受けかねないということになる。中国の外資受け入れにも暗雲が立ち込めてきた。
4中全会の決定を読んで思い出すのは、北風と太陽の寓話だ。アメリカは、中国が国有企業を通じて国力を高め、アメリカの地位を脅かしていると非難してきた。中国がかぶっている国有企業という外套を吹き飛ばそうと、制裁関税や取引禁止などの北風を吹かせてきた。中国は北風に負けじと国有企業や外資規制という外套をますます厚くしようとしている。それが今回の4中全会決定の意味である。
太陽が照ってくれば、つまりアメリカが貿易や投資や技術移転に対して開放的な姿勢で臨んでくれるのであれば、中国のなかで国有企業という外套を脱ぐべきだという意見が強まるであろう。国有企業はどうしたって民間企業より経営効率が悪い。民間企業と公平な競争の土台に立っていないので、国内の民間企業からは不公平だといわれるし、外国からは相殺関税をかけられる。
北風が吹き荒れ、中国が国有企業という外套を厚くする展開は日本経済にとってももちろんいいことは何もない。少なくとも日本は中国に対して開放的な姿勢を堅持すべきだ。
