[ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州統合を進めるべきか、否か──。ドイツが今、大きく揺れている。最近ではギリシャ支援などをめぐって欧州連合(EU)懐疑派が優勢になっているが、足元の懐疑論に目を向けすぎると、法規範にのっとった欧州統合を成功させたいというドイツの深い想いを見誤ることになる。

もし、EUというシステムが崩壊するとすれば、国粋主義の広がりを背景にフランスや英国、オランダが主権の共有推進を拒否したためであり、ドイツが財政規律や法規重視にこだわったからでは決してない。

ドイツのメルケル首相も「ユーロ圏が崩壊するときは、欧州も崩壊するときだ」と、ドイツ議会に対し繰り返し警告している。

EU統合はこれまで、仏独を中心としたチームプレーによって進められてきたが、2010年ごろに本格化したユーロ圏債務危機を受けてフランスが弱体化しため、ドイツが単独のリーダーに祭り上げられた。

ケインズ派のエコノミストたちは、ドイツは輸出が好調にもかかわらず倹約し過ぎていると批判。南欧では、厳しい緊縮策を押し付けたと、ドイツへの怒りが広がっている。米国や英国、フランスは、ドイツが軍事面の貢献拡大を拒んでいると不満を持ち、そしてフランスは、ドイツが欧州統合に向けた資金を出し惜しんでいるとして失望している。

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こうして過大な負担を背負わされたドイツは、他国が自らの責任を果たさずに、ドイツの懐をあてにしていると、疑心暗鬼に陥っている。

ドイツで、各国からの批判に対する独善的な反論や、内省のほか、新たな解決策を探る動きが出ているのも、当然かもしれない。

「ユーロ圏議会」構想も

ドイツはEUについて、コール元首相いわく「運命共同体」と認識しているが、「負債共同体」になることは大半の国民が望んでいない。

独政府の独立経済アドバイザーから成る評議会は先週、「最後の手段として」ユーロ圏からの秩序だった離脱を促すメカニズムを提案。

また、加盟国間の負債の移転禁止を提唱したほか、ユーロ圏共通予算や、共通の失業保険制度の導入についても、否定的な見解を示した。